暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
そして英雄達は………
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ん)、二つの神の武器を持った英雄達がいた。










静かな夜の闇に呑み込まれた森に、激しい剣戟の音が響き渡る。

レンガはなった二つの鋼糸(ワイヤー)は、片方はリョロウの三叉の矛に音もなく、衝撃もないままに防がれ、もう片方はセイの持つ棍に轟音とともに防がれる。

いかに六王第三席《冥界の覇王》であっても、《神装》持ち二人がかりはさすがにまずすぎる。

いや、何がまずいと言われれば、それはレン自身のコンディションの問題だ。

テオドラにも言われたが、レンの体はもう限界寸前。言ってみれば、風前の灯も甚だしい状態なのだ。

その状態でこのような超速戦闘が行えること自体、本来はありえない。

そのありえないを、レンは心意の力を使って強引に捻じ曲げる。

今のレンの状態を例えるならそう、壊れた操り人形に糸をつけて強引に動かない関節を動かしている、と言ったらわかりやすいだろうか。

本来は動かないその前提を

因果を

運命を

曲げて、捻じ曲げる。強引に。自身の身体が悲鳴を上げているにもかかわらず。

頭蓋の裏側がきりきりと痛む。

イマジネーションが簡単に揺らぎ、手のひらの中に溜まっていたドス黒い過剰光が苦しげにその身をよじる。

それは、もはや球体ではなかった。長さ四十センチほどの、円錐形の物体。

それはレン自身の身体に纏っている最低限の防御用過剰光さえも吸い取り、刻一刻とその身を大きくしていた。

それに比例するかのように、レンの頭はぱっくり割れるほどの激しい頭痛を訴え、四肢に宿る力は抜けていく。

当然ながら集中力もおろそかになり、リョロウとセイの一撃が身体をかすることが目立ってきた。

二人もそれに薄々気が付いているのか、数分前から徐々に攻撃のペースを上げてきている。

はっきり言って、限界だった。

その時、真正面から繰り出された鋭い突きをステップ回避しようとして踏み込んだ左足がズルリと滑った。目線ががくんと下がり、前のめりになってレンは倒れこんだ。

結果的に避けることができた三叉の刃が、頭頂部上数センチのところを通り過ぎる。

ちりちりと空気が焼けたような灼熱感を頭の天辺で感じながら、レンは一刻も早く体勢を整えるために滑った左足とは逆の右足を力強く踏み込んで、それを支えとして立ち上がろうとする。

しかし、敵は決して一人ではない。

セイの得物、棒状の神装《撃退(アイムール)》が水月(みぞおち)に鈍い音とともにめり込んだ。

メキメキ、というとても人体から発せられる音とは思えない音が腹部から響く。

「が………ふ……ぅッ!!」

肺の中身が丸ごと空っぽになるような衝撃。

空気を引き裂きながら、レンの小柄な
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