第88話
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客が多いって聞いてな。
置き去り(チャイルドエラー)の処理で困っている施設から格安で買い、売るって寸法さ。」
よく見ると、その少女たちにはいくつもの青黒い痣があった。
「最初の方は結構抵抗するからさ、試したい商品とか使って黙らせたりと結構苦労したんだぜ。
今じゃあ、大人しくしてくれてるけどさ。」
少女達の瞳の光はなく、全身に力もなく呼吸音しか聞こえない。
一応、生きてはいるようだ。
麻生はその少女達をじっと見つめていた。
「もしかして買っていく?
今なら結構な安さで買えるけど。」
麻生はポケットに手を入れると、そこから一万円の札束を幾つも取り出し、男に投げ渡す。
「もしかして全部買っていく感じ?」
麻生は何も答えない。
男は麻生が買っていくものと判断して話を進める。
「これだけあれば全員分払った事になるな。
いやぁ、初めてした商売だけど幸先いいね。
次の仕入れておくから暇になったら来てくれよ。」
男は上機嫌なのか、麻生の事をお得意様のように扱う。
その言葉を聞いて、麻生はため息を吐いた。
「何か勘違いしているみたいだな。」
へ?、と男は声をあげる。
「俺が金を渡した訳でも、あの娘達を買った訳でもない。
これからあの娘達の今後の生活の資金を出しただけだ。」
その瞬間、男は気づいたら壁に叩きつけられていた。
それが、麻生の左腕が自分の顔面を掴み、壁に叩きつけられているのだと気付くのに数秒かかった。
それと同時に全身に針を刺したような凄まじい痛みが広がる。
「て、てめぇ!?
何を!?」
「俺が一番嫌いな人間のタイプ、ベスト一を教えてやるよ。
お前みたいに人を物扱いにして、道具のように使う屑だ。」
空いている右手を握り、拳を作る。
そして、左手の握力を一気に強くし男の骸骨を圧迫しながら右手で男の身体を殴り続ける。
その部屋には骨が砕ける音と、男の叫び声が響き渡った。
三分後。
麻生の足元には手足があらぬ方向へと曲がり、骸骨のほうは歪み、男の周りには血だまりが出来ていた。
麻生は自分の携帯を取り出すと土御門に電話を掛ける。
「キョウやんか、どうかしたかにゃ〜?」
「お前、この仕事の報酬とか言っていたな。
気が変わったから報酬を用意してくれないか?」
「それは構わないけど、何が欲しいんだなにゃ〜?」
「五人分の住居と中学校か?、そこの在籍書でも何でもいいから用意しろ。」
麻生の言葉を聞いた土御門は少しだけ間を空けて言った。
「了解、こっちで用意しておく。」
「報酬は前払いだ。
今すぐ用意しろ。」
「分かったぜい。
報酬の方は海原から貰ってくれだにゃ
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