第88話
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に逆側の人間です。
「書庫」にもレベル0と書かれていますので、警戒されることはないでしょう。」
麻生はとてもだるそうな表情を浮かべながら大きくため息を吐く。
「俺に拒否権はあるのか?」
「時間があれば言い分の聞くのですが今は一分一秒も無駄に出来ません。」
「他に手はないんだな?」
「今の現状ではこれが最善策かと。」
海原は笑みを崩さずに麻生に言う。
それを見た麻生は頭をかきながら言う。
「分かったよ、それしか方法がないって言うのなら従うよ。」
「そう言っていただけると思っていました。
ではこの資料と携帯を渡しておきます。
資料には隠れ家についての情報が書かれています。
連絡や報告についてはその携帯でかけてください。」
海原から資料を受け取った麻生は面倒くさい、と呟きながら部屋を出て行った。
「彼で本当に大丈夫なの?」
結標は思わず心配の声をあげてしまった。
なぜなら、可能性がある武器商人は二人。
その内の一人が当たりだ。
他の暗部の組織に任せている武器商人が当たりなら麻生が失敗しても何の問題もない。
だが、麻生の方が当たりなら取り逃がすととても厄介な事になる。
「彼なら大丈夫でしょう。
自分も彼が普通の能力者ならこんな事は頼みません。
ですが、彼は普通ではありません。
まぁ、気長に彼の報告を待つ事にしましょう。」
呑気な事を言いながら、海原は紅茶を作り、カップに注ぐ。
それを見た結標は呆れた表情を浮かべるが、自分の分も入れるように言うのだった。
第五学区のビルとビルの間にある通路に地下に伸びている階段があり、そこに武器商人の隠れ家があると資料に書いてある。
麻生はバスと電車を使い、第五学区のビル街に来ていた。
高いビルなどが立ち並ぶと、人の注目や視線がそっちの方へ向いてしまう。
すると、ビルとビルの間にある通路などに注意が薄くなる。
そう言った心理的状況を利用した隠れ家だろう。
資料に書かれている通りにビルとビルの間の道を歩いていると、地下に伸びている階段が目に入った。
確かにビルなどに視線が集まっていたら気づく事はない位置にそれはあった。
麻生はその階段を下りていく。
階段を下りた先には鉄の扉が一つだけあった。
その扉を開けると、中は木でできた四人掛けのテーブルが三つ縦に並んで、通路を挟んでカウンターがある。
見た目は隠れた料理屋に見えなくもない。
だが、そこ人は誰もいない。
麻生が中に入り、扉を閉めたと同時にカウンターの奥にある扉が開くと男が出てきた。
身長はおよそ一七〇センチ程度、日に当たっていないのか肌白い。
黒のジーンズに白のワイシャツを着ている
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