第87話
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そう言って部屋を出て行く。
それに続いて海原と麻生も部屋から出て行く。
「そういえば、お前。
自分の組織には戻らずにこっち側にいたんだな。」
廊下を歩きながら麻生は気になっていた事を海原に聞く。
「ええ、土御門さんに保護された時に言われたのですよ。
お前が守りたい世界を自分の手で守ってみないか?、っとね。
正直、あなたに美琴さんを託しましたがそれでも心残りはあったので自分はその提案に乗りました。」
にっこり、と爽やかな笑顔を浮かべて答える。
三人はホテルを出て、一番近い第七学区の研究施設に向かう。
途中でバスに乗る事になったのだが、ここでも麻生はまた一つ疑問が浮かんだ。
「確か淡希の能力は空間移動能力だろ?
それならお前の能力で運んだ方が早くないか?」
麻生の発言を聞いた結標は少し言いにくそうな表情をする。
海原が代わって説明しようと前に出るが、それを結標が手で止める。
「自分の事くらい、自分で説明するわ。
私は自分の能力テスト中にミスをしてね。
片足だけ壁に埋まってしまったの。
それがトラウマになって自分を空間移動させる事が出来なくなったの。
それから色々あって、今ではこんな機械に頼らないと能力を発動できないくらい落ちたのよ。
私があなたを運ぶ事はできるけど、こんな不安定な精度でよければ飛ばしてあげるけど、ビルの壁に移動しても文句言わないでよね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・やめておく。」
「賢明な判断ね。」
そう言って、バスが三人の前に止まる。
結標はすぐに乗り込み、海原は苦笑いのような笑みを浮かべながらバスに乗り、麻生は二度目になる疲れたため息を吐いてバスに乗った。
一時間くらい経って最初の目的施設である研究施設に到着した。
閉鎖されて長い間使われていなかったのか、雑草などが生い茂り鉄格子などは錆びていた。
「閉鎖された施設を拠点代わりにする。
単純ですが、かなり有効な戦略ですね。」
研究施設であった建物を前に海原は言った。
「その「外」の連中をバックアップしている研究者は目星はついているのか?」
「ええ、大覇星祭前に連絡がつかなくなった研究者が数名いるそうです。
自宅を訪ねた時には行方不明でした。」
「という事は、前々から計画はしていたようね。」
三人は話しながら閉鎖された研究施設に入って行く。
中の方も全く手入れされていないのか、埃などが溜まっていた。
部屋の中に机やパソコンなどが置いてあったがどれもボロボロで使い物にならない。
もちろん、使われた形跡など一切ない。
「どうやら、此処は外れみたいですね。
次の施設に向かいましょう。」
移動に
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