淡い恋、悲しい別れ
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ーとスネイが近寄ってきて『そんな詰まらない事してないで、俺達と遊ぼうぜ!』って、声をかけてきたの。
私は教会にある魔道書を読みながら、その内容を一生懸命に理解しようと頑張っていたので、悪ガキ2人の顔をチラッと見て『そんな暇は無いわよ!』って突き放してやったわ。
その時の2人の顔は忘れられないわね……
私もリュカが教会で、この魔道書に熱中している時に、彼等と同じ顔をしていたから……
今だから分かる……リュカは勉強家だ!
いくらパパスおじさまが、リュカに剣術や魔法を勉強させても、本人にやる気が無ければ、あそこまで強くなる事は出来ないだろう。
何時も可愛く平和を望む一方で、常に自分を向上させる事に余念が無い……
か、格好いい……
どうしよう……年下なのに格好良くって頼りになって、そして可愛くって……
私、リュカの事を考えると、変な気分になってきちゃうの……
好きで……好きすぎて……こう……胸が熱くなってきちゃうの!
リュカがサンタローズへ帰ってから、まだ1週間も経って無いのに、もう逢いたくなってしまっている。
リュカも私の事を思ってくれているかな?
そうだったら嬉しいな。
リュカと別れてから2ヶ月が経過した頃、王都ラインハットでとんでもない事件が発生した!
何と王子様のヘンリー殿下が、何者かに攫われ行方不明になってしまったと言うのだ!
しかも、その何者かって言うのがパパスおじさまだとラインハットは言っているみたい。
そんなワケ無いじゃないの!
パパスおじさまが誘拐なんてするワケないわ!
でも一緒についていったパパスおじさまの息子……つまりリュカも、犯人と言われているパパスおじさまも行方不明で、親子でヘンリー殿下を攫ったと専らの噂になっている!
でも、きっと違うわ!
リュカ達が行方不明なのは、ヘンリー殿下を攫った犯人を追いかけているからよ!
結構な強敵で、直ぐに帰る事が出来ないでいるのよ!
でも周りの大人達は、リュカ達が誘拐犯だと頻りに言っている…
昨日なんか町長さんが尋ねてきて、お父さんとお母さんに言っていたわ……
「お前さん達はパパス殿と親しい間柄だ。私も町民も、お前さん達を疑う事は無いのだが、ラインハットは疑って来るだろう……そうなれば、この町を滅ぼす為に兵を寄こすかもしれないのだ! もしそうなれば、私はこの町を守る為に、お前さん方を全員差し出さざるを得ない……申し訳ないが、今の内から他へ移り住む準備を始めてくれないか。そして、なるべく早くに余所へと引っ越して貰いたいのだ……私達には、それ以外の方法でお前さん達を救う事が出来そうにないのだ……」
私はお父さん達がお話をしている部屋の外で静かに聞き耳を立てていた……
町長さんの提案に、私は声を押し殺して泣いていた……
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ