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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission10 ヘカトンベ
(3) マクスバード/リーゼ港 路地裏
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の他人だったのに、娘と知って、自分のために泣いた少女に、ユリウスはすっかり絆されていた。

 やがてユティは、無言で、ユリウスの胸板を押し返して立ち上がった。――それが拒絶のサイン。

「この後、エル姉はおじいちゃまに協力してカナンの地に先に行く。ルドガーはエル姉を助けざるをえない。今、二人の関係には不純物がない。好意、ただそれだけの強く絡み合った糸で結ばれてる」
「ユースティア……? お前、一体何を」

 ユティはするりとユリウスの胸ポケットから銀時計を抜き去った。
 彼女は夜光蝶の時計と合わせて、マリンブルーのスリークオーター骸殻に変身する。
 逆光が、彼女の表情を隠す。


「行く前に一つだけ、聞かせて。ユリウス・ウィル・クルスニク。弟のために自分を殺す覚悟はある?」
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