喪失編
三話
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ているか、分からなかった。
だが、俺は少女だと高い確率で予測していた。
「雰囲気だ」
「雰囲気?」
「修羅場を潜ったであろう者が放つあの独特のオーラ」
俺の答えに少女は笑みを消した。
そして、次の瞬間体が何かに押さえつけられた。
反射的に体を見ると数本腕が俺の体から生えていて、拘束するように掴まれていた。
「どう?動けないでしょ?」
女は両手を手のひらを上にしクロスさせ、冷たい声音で言った。
男の方は何が起こっているのか分からず、唖然と突っ立っている。
「あなたの能力は知らないけど、動けなかったら何にもできないでしょ?」
能力?
そう言えば、海賊達が俺を見て言っていたな。
悪魔の実の能力者と。
「そうか、悪魔の実の」
「そう、私の能力はハナハナの実、腕を花のように扱う事ができる」
俺は再び体を見た、正確には生えていた腕にだが。
確かに、花のようだ。
そうして、女と対峙していたが、突然横から男が怯えるように叫んだ。
「まさか、おま、お前はあ、悪魔の子!に、ニコ・ロビン!?」
「.....うっとおしいわね」
少女、ニコ・ロビンは眉を吊り上げ、呟いた。
「ドスマーノ」
ロビンの声と同時に男の顔の辺りに二本腕が生え、顔を掴んだ。
男の顔が驚愕と恐怖が浮かぶ。
そして。
「クラッチ」
ゴキッ!
鈍い音と共に男は声なく、地面に倒れ付した。
首は本来なら曲がる筈のない方向に捻れている。
これが悪魔の実、か。
「便利な能力だ」
「そんな呑気な事言っていいのかしら?私の意思次第で貴方もあの男と同じ運命を辿るかもしれないのに?」
「なるほど」
この状況。
少女の方が圧倒的な有利。
に見える。
あくまでそういう見方もできるだけ。
だから、断言した。
「だが、そうはならない」
「.....何故かしら?何か根拠でも?」
「ああ」
根拠は情報の違い。
ニコ・ロビンが知っていて、俺だけが知る事。
目の前の敵は俺の能力を侮っている。
なら、見せてやろう。
もう一人の俺を。
「刮目するといい......ザ・ワールド」
ブゥンとニコ・ロビンの背後に黒い影が現れる。
「!?何っ、くぅ!」
慌てて腕で防御するロビンを拳で一閃し凪ぎ払い、吹き飛ばす。
気づいた時、防御という選択をとった時点で既に遅い。
鈍い音が響き、ロビンは勢いよく砂浜を転がる。
意識が途切れたせいか、俺を拘束していた手が消えた。
俺は砂浜に倒れているロビンに近づき、見下ろしつつ腰の無限ナイフを抜いた。
「フ、フフッ.....それが、貴方の能力」
ニコ・ロビン
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