第85話
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の回転ならオレよりも早いし、能力では結標でも手も足も出ないくらいの能力を持っている。」
結標は本当に土御門の頭がおかしくなったのではないか、と思った。
土御門の頭の良さは同じ暗部の仕事をしている時に分かっている。
性格などは少しというかかなりずれているが、頭の良さなどは認めざるを得ない所がある。
だが、これからやってくる麻生恭介という男は土御門よりも頭が良く、かつ自分の能力程度では手も足も出ないと言っているのだ。
これを疑うなという方が無理である。
「ちなみに海原もそのキョウやんに負けているぜい。」
結標は海原に視線を向ける。
電話の声が所々聞えている為か、結標の視線の意味が分かった海原は苦笑いを浮かべる。
どうやら嘘ではないようだ。
それでもどこか信じられない部分がある。
「そこまで疑うなら自分の目で確かめればいいにゃ〜。
キョウやんの実力を見て、もし足手纏いと思ったのなら外してもらっても構わないぜい。」
「最初からそのつもりよ。」
そう言って結標は携帯の通話を切る。
「それで貴方はどうするつもり?」
パタン、と携帯を閉じ椅子に座っている海原に話しかける。
海原は小さく笑みを浮かべながら言う。
「自分は何もしません。
彼の実力は身をもって知っているので。」
笑みを浮かべながら海原は言った。
「まぁいいわ。
足手纏いかどうか確かめさせてもらうわ。」
土御門からの電話が終わってから、麻生は学生寮まで戻ってきていた。
その理由はというと服を着替えるためだ。
これから、暗部の人間と会うのに体操服は何か違う。
そう思った麻生は一度、寮に戻って服を着替えたのだ。
いつもの黒一色の服装に着替える。
十月とはいえまだ暑いので、半袖のシャツの上に袖のない薄いコートを羽織る。
黒のジーンズに黒の靴。
これが麻生の服装だ。
学生寮を出る前に、麻生はある人に電話をかけた。
「おお、恭介。
お前の方から電話をかけるなんて珍しいじゃないか。」
その人物とは麻生竜也である。
おそらく、これから裏の仕事をするので大覇星祭に参加する事はできないだろう。
裏の仕事をするから大覇星祭に参加できない、と率直に言う事はできないので言葉を濁して伝える。
「ちょっと用事が出来てな。
今日の大覇星祭の競技に出られなくなった。」
幼い頃に両親に迷惑をかけたのでこの二人にだけはこの事を教えておきたかった。
「なぜ、出れないか理由を教えてくれるか?」
「・・・・・・・ごめん。
教える事はできない。」
「・・・・・・・そうか。
恭介、一つだけ答えてくれ。
それは今やっている大覇星祭に参加する事より
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