魔法先生ネギま!
0394話
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…取りあえず出し惜しみとかは無しでゲートを使って移動した方がいいな。特に最後の奴が怖すぎる。
周囲の人目がない場所、近くの柱の影へと移動して、この異形化状態でのみ使える影のゲートを展開する。そのまま闘技場から少し離れた場所の路地裏へと出て、ローブで身を包んだまま宿屋へと向かうのだった。
だが……
「マジか」
まるで宿を包囲するかのように大量の客が集まっているのを見て、思わず呟く。
しかも自分達が宿に入るのではなく、中に入る人をじっくりと観察しているのだ。そんな状況で当然宿の中に入るような勇気を持つ者は殆どいない為、もしこのまま宿に入ろうとすれば絶対に目立つ。どこからどう漏れたのかは分からないが、あそこが俺の泊まっている宿だというのが知られたんだろう。
「……しょうがない、か」
溜息を吐きながら、再び影のゲートへと沈み込む。
本来なら闘技場から直接宿の部屋へとゲートで移動出来ればいいんだが、俺の能力……と言うか、熟練度ではまだその距離のゲートを繋げることは出来ないのだ。影や闇の扱いが本職のエヴァならかなり長距離でもゲートで繋げる事が出来るらしいのだが。
「あ、お帰りなさいアクセル君。やっぱり影のゲートを使って戻ってきたわね」
「あー、円の勝ちかぁ。大穴であの人の波を掻き分けてくるというのに賭けてたんだけどなぁ」
部屋に戻った途端、円と美砂の声が聞こえて来る。と言うか、良く見たら俺の部屋に全員が集まっていた。
「ほら、美砂。賭けの商品を渡して貰いましょうか」
「うー……はい」
美砂が円にテーブルの上に置かれていた自分の分のケーキのうちの1つを差し出すのを見て、思わず笑みを浮かべる。そしてそれを見た美砂は、当然我慢出来る訳が無く……
「ちょっと、アクセル君。私が賭けに負けたのがそんない面白いのかな?」
ニコリ……というよりは、ニタリとでも表現出来そうな笑みを浮かべつつ俺へと迫ってくる美砂。その様子に、慌ててそれを否定する。
「いやいや、そんな事はないさ。ただ、やっぱりお前達と一緒にいると安心するなぁ……と思っただけで」
「ちょっ、真顔で急にそんな事を言わないでよ。恥ずかしいでしょ!」
頬を薄らと染めながら美砂が顔を背ける。
「まぁ、何はともあれ……優勝おめでとう、アクセル君」
千鶴がテーブルの上に置かれていたケーキの載った皿を俺へと差し出してくる。
「はい、優勝おめでとう。今は色々とあって派手にお祝いが出来ないけど、せめてこれくらはと思って女将さんに無理を言って用意してもらったの」
「……アクセル君、あの、最後に使った技とか色々と聞きたい事、言いたい事はありますが、それは取りあえず置いておくとして今は優勝したのを喜びたいと思います」
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