第84話
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そうだ、恭介が参加する競技はどれ?」
愛穂はパンフレットを取り出し種目表を見せてくる。
麻生は自分が出る種目を教える。
「これなら、ちょうど休憩の時に見に行けるじゃん。」
「え、お前見に来るのか?」
「・・・・・何、その嫌そうな顔は。」
愛穂の言葉を聞いてますますさぼれなくなってきた。
一気に疲れたような顔をする、麻生。
「そうだ、愛穂。
お前のクラスも何人か欠席している生徒はいるか?」
「確かにいるけど、どうして知っているの?」
「いや、俺のクラスでも同じだったからな。
そっちもそうなのかなって思っただけだ。」
「欠席した生徒も昨日の夜遅くまで騒いでいたじゃん。
来たらとりあえずは説教じゃん。」
腕時計を見た愛穂はもうすぐ警備員での集合時間が迫っているなどと言って走ってどこかへ行った。
とりあえず、外に出た。
前にも言ったが麻生は必要最低限の競技しか出ない。
そうなると時間が余りに余ってしまう。
誰かと大覇星祭を回る訳でもない。
これは寝直すか、と考えた時だった。
麻生の携帯の着信音が鳴り響く。
画面には土御門元春と表示されていた。
「お前は今は病院だろ。
病院で携帯を使っていいのか?」
「開幕からちっさい事を言うなにゃ〜。
病院の中でも携帯を使える場所があるから問題ないぜよ。」
麻生はそのまま近くの壁に背中を預ける。
「それで何の用だ?」
「お前に頼みたい依頼がある。」
次に聞こえた声は学生としての土御門ではなかった。
「今は大覇星祭。
学園都市がもっともセキュリティが甘くせざる負えない状況だ。
その隙に乗じて侵入してきた奴らがいる。」
「魔術師か?」
「いや、魔術師関連の事件は昨日のが最後だ。
今回は「外」からやってきた科学側の人間だ。」
「「外」だと?」
「この学園都市は科学側ではトップに位置する。
それを快く思っていない勢力や組織も存在する。
現に「樹形図の設計者」(ツリーダイアグラム)の残骸を巡って、「外」の勢力とこの学園都市の存在を疑いつつある「中」の勢力が組んだくらいだ。」
「それが今回の大覇星祭を利用して「外」から侵入者がやってきたという訳か。」
「それも「中」の後ろ盾もある。」
一通りの内容を聞いて麻生はため息を吐いた。
確かにこの学園都市の事を快く思っていない科学側の勢力などいくらでも存在するだろう。
この能力開発は悪く言えば、頭の改造だ。
それを疑問視する人間がいた所で不思議ではない。
だが、学園都市は規模が大きい。
口先で解体させるにはほぼ不可能だろう。
だからこそ、強引な手段をとるのだ。
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