暁 〜小説投稿サイト〜
Black Engel and White Engels
魔法少女はじめました
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序「そこに至る道」
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の。これから皆、“花楓さん”と呼ぶけど気にしないでね。」
休み時間に、私は花楓さんの席まで行って、この学校独特の呼び方について説明しました。
いるのです。この呼び方を知らないことをいいことに、外部進学生をいびる馬鹿野郎が。

「そ、ありがと。」
そう言って、花楓さんはすっと席を立って、教室をあとにしました。

「なんなの?あの子。」
隣にいた同級生が、少しばかりの非難を込めて言いました。
「まぁ、良いじゃないの?ひょっとしたら照れ隠しかもしれないし。」
それは的中しました。今、隣の席に座っている戦争狂(ケイト)と出会った時も、こんな感じだったのです。最も、ケイトと接するうちにそれが照れ隠しであることがわかりました。そのことが頭にあったのです。

その後、新入生歓迎会の時に事件は起こりました。
あまりにそっけない対応だった花楓さんに、クラスの数人が怒り出したのです。
それに対しても、同じ対応だったので余計彼女たちは怒り出しました。

「はいはい。そこまでですよ。」
あたしは思わずそう言ってしまいました。
“ちんじゅ”行政府でよく言っている言葉でした。
やってしまいました。そんなキャラじゃないのに・・・
出てしまった以上、より大きく火をつけるしかありません。
「はいはい。これまで!そんな言い合っている場合じゃないでしょ。みなさん。早く出ないと式に間に合いませんよ。」

そう言って、あたしはクラスの皆さんを式の会場へと誘導しました。
百合ちゃんと蒔絵ちゃん、智花ちゃんが、ウィンクをして私を見ます。
あたしはウィンクを返します。
「大丈夫?花楓さん。」
あたしの言葉に、ビクッと花楓さんが反応します。

「ダメね。小学生までの気弱で臆病なあたしを変えようと、中学から知的な女の子を目指したのだけど・・・友達なくしちゃった。」
そう言って、力なく花楓さんは笑います。どこか、泣き出しそうな感じです。
「式、サボろうか?」
「え?!」
「うそうそ。」
あたしたちは一頻りその冗談で笑い合い、少し遅れて式に向かいました。

そのあと、あたしたちは友達になりました。
どうも、花楓さんは人見知りのようです。クラスに溶け込むのにも時間がかかりました。
最も、蒔絵ちゃんと智花ちゃん、百合ちゃん、華英ちゃん、葵ちゃん、紗英ちゃんとはすぐに仲良くなりました。だんだんと、あたしを中心にしたグループが出来つつあるようです。

みんなに“ちんじゅ”と“おおくに”のことを話して、あそこでゆっくりできればいいのにと思います。
一馬兄様、科学技術のブレイクスルーは専門家に任せる!と丸投げしてしまって、第3期都市開発計画を推進するらしいです。何でも、
「俺はヒトラーを超えてやる!こうなったら、奴の夢、ゲルマニアを再現だ!
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