星屑の覚醒
11 帰還の代償
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から犯人と思われる人物の特定に向け....』
『我々NTVが独自に被害に遭った少年たちの交友関係を調べたところ、デンサンシティの教育体制、そして生徒たちの闇について浮き彫りに...』
『では犯罪心理学の権威であるアメロッパ大学のクリスチャン教授にお話をお伺いしましょう』
『この事件の犯人はサイコキラーのような特徴を持っています』
『そうですねぇ...映画でいう「悪の教典」やら「アメリカンサイコ」やらを思い出しました』
『ところでこの事件の被害者の少年たちは暴力やイジメの非行を繰り返し、それを正当化するまでに至っていたという話を伺いました。自分たちの力を誇示することで校内での階級社会、つまり『スクールカースト』で上位に立つこと。それによって苦しんでいる生徒たちや大人もいるでしょう』
『なるほど...では犯人はその間違った階級を壊そうとした破壊者。カーストブレイカーとでも呼べばいいのでしょうか』
『ええ、恐らく犯人は少年たちの身近にいた生徒や親などにいるかもしれません。そして犯人自身も自分が彼らを殺したことで多くの子供達が苦しみから解放されたという優越感に浸っているかもしれません』
『では犯人は罪悪感を感じていないということですか?』
『恐らくはそうでしょう。むしろ自分が殺人犯になった事への後悔の方が大きいかもしれません。イジメやスクールカーストとはどう足掻いても何処の学校でも発生しうるものです。それによって苦しみ、死んだ方がマシだと思ってしまう子供も大勢いる。私は犯人を攻める気にはなれません。むしろ救いたいと思います』
『救いたいと言いますと?』
『心理学としてはメンタルケアなどを行うことです。ここまで残虐な犯行に及ぶということは逆に元は真っ白なシルクのように純粋で優しい心の持ち主でしょう。外から何かを教え込むという事は不可能です。カウンセリングなどは治療と思われがちですが、全く違います。あれはある種の教育なのです。その教育によって本人が自分で救いの道を見つけていくものなのです』
『今回の切り裂きジャックのような事件を受け、デンサンシティでは一部の学校を除き、休校の措置をとることを決定しました』
「.....そんな...」
彩斗は絶句した。
自分の犯した殺人がもはや世界的な話題と化していた。
「....ポカンと口を開ける前に質問がある」
「何?」
ハートレスは苛ついているかのように彩斗に声を掛ける。
詳しい事情を聞く必用があるのだ。
殺人のことなど後回しだ。
「あなたは廃工場でValkyrieと接触したわね?彼らとなにか喋った?」
「...何も。いきなり襲われて会話なんて....」
実際、復讐を終え、今のように放心状態で口をポカンと開けていた時にいきなり現れ、襲いかかってきた。
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