星屑の覚醒
11 帰還の代償
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目を覚ました。
目を覚ます寸前で手を伸ばし、枕元で充電されているトランサーを鷲掴みにしていた。
辺りを見渡す。
するといつも見慣れた自分の部屋だった。
机の上にはPCが3台に読み散らかした参考書、小テーブルにはハンダとPIC、そして導線に三端子レギュレータ。
隣のベッドにはメリーが寝ている。
いつもの朝の光景とほぼ同じだった。
「...あぁ....夢?...!?う!?」
目を覚ますなり、襲いかかってきたのは激しい喉の渇き、尿意、飢えだ。
真っ先にいつも枕元に置いている小型のウォーターサーバーから紙コップに水を注ぎ、一気に飲む。
自分でも信じられない程に喉が鳴る。
そして次にトイレへと走った。
「...あぁ....」
既に気が気でない。
まるで激しい運動をした後、もしくは恐ろしい緊張感から解放されたような気分だった。
一気に反動が返ってきたかのように。
「あぁ...うぅ....」
激しい頭痛も襲ってくる。
よろよろとした状態でトイレから出ると、目の前にはメリーが立っていた。
今の大騒ぎで目を覚ましたのだろう。
だが様子がおかしかった。
「兄さん...」
メリーは彩斗に抱きついた。
まるで戦場から返ってきた兵士を出迎えているかのようだ。
今にも泣きそうな表情を浮かべている。
彩斗は頭が混乱した状態で状況がイマイチつかめない。
メリーの背中を擦りながら、自分のベッドに座らせる。
そして彩斗は頭を抑えながらベッドに倒れ込んだ。
全身に激しい痛みが残っていた。
「大丈夫ですか?昨日の夜...あれだけ無茶をしたんです。まだ動かない方がいいですよ....。今、ハートレスを呼んできます。ついでに何か食べるものも持ってくるので待っててください」
メリーは息の荒い彩斗の耳元で声を掛けると、すぐさま部屋を飛び出し、廊下を走って行く。
彩斗は引き止めることも出来ずにそのまま再び数分の眠りに落ちていた。
「.....やってくれたわね」
意識を取り戻した彩斗はメリーに渡されたいつもの不気味な色の抹茶風味な飲み物を飲みながら、ハートレスの逆鱗に触れていた。
ハートレスはメリーに呼ばれすぐにやってきた。
そして彩斗に向かって、新聞代わりのiPadを投げつけた。
「......うぅ!?」
その記事を見て一気に吐き気が湧き上がり、口元を抑えながら枕に顔を埋めた。
頭痛の原因が明らかになった。
昨晩の自分の奇行を記憶がロックを掛けていたのだ。
思い出せば今のように吐き気に襲われて苦しむことになると、体は理解していた。
ハートレスは無慈悲にもテレビを点ける。
するとどのチャンネルに変えても同じニュースが放映されていた。
『現在、周辺の防犯カメラの映像
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