神様の事情と裏の理由
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ように大母神がその場に座れば、大母神と秋晴の視線がちょうど同じ高さになる。
別に隠しているわけではないが、この祭壇の中途半端な高さの理由を知る者は神の中でも少ない。
『禁止しているのに、時々思い出したように誘惑に負けてしまう子が出てしまいます』
「はぁ…」
やはりというかパターンというか…さっきの閻魔大王(偽)の愚痴が始まった。
大母神の憂いに、どう答えればいいか分からない秋晴は曖昧な返事を返しながら畳に上がり、自分用のお茶をすする。
緑茶か…。
『…最初は本当に間違いだったのに…』
過去…それは生まれたての神が起こしたいくつかのミスが原因だった。
基本的に神とは世界を管理する存在である。
それぞれに自分の世界を持ち、発展させようとするものだ。
各々の神が担当する世界にはそれぞれ違いがあり、特色がある。
科学技術が発達する世界…魔法が発達する世界…あるいは人間が存在しない世界など…その神の持つ“神格”次第では複数の世界を持つことも可能である
神は己の属性や考えによって世界を運営していくが、しかし生まれたてのその神にはそんなノウハウがなかった。
元々、生まれたての神はすべからく他の神が運営する世界を回り、運営のノウハウを学んでそれをもとに自分の世界を作るのだが、その途中…とある世界でその神の為に一つの命が散る事件が起こった。
―――これが一つ目のミス。
自分を助けるために死んだ人間を見た神は混乱した。
人生というか、神生経験が少ないために純真過ぎたという事もあるのだろう。
とっさにその人間の魂をその世界の神の許しなく回収してしまった。
―――これが二つ目のミス。
即座に回収した魂をその世界の担当する神に渡し、輪廻に戻してもらえばいい物を、その神は焦ったあまり、“作ったばかりの自分の世界の輪廻”にその魂を放りこんでしまったのだ。
つまり俗に言う転生物と言う奴の最初の人間である。
―――これが三つ目のミス。
結果から言うと…その人間は世界に劇的な変化を起こした。
自分の世界から持ち込んだ技術、知識を広め、生まれたての神の世界を大いに発展させたのだ。
―――これが四つ目のミス…と言うか誤算。
神の持つ神格と言う物は、所有する世界に影響を受ける。
異世界の人間と言うファクターを受け、急速な発展を見せた世界の影響は、生まれたてで最も低い位階だった神の神格を一気に中位の上位置まで引き上げる事になったのだ。
神と同じく作られたばかりの世界であっただけに、文化レベルも低く、他の世界よりも多くの伸び白があったのも大きかった。
『その後、皆が揃って真似をし出して…』
当時を思い出した大母神が疲れた声を出す。
神
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