神様の事情と裏の理由
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がそこは指摘しない方がいいだろう。
おそらく“お仕置き”のせいだ…中年の涙目と言うのはなぜこんなに気持ち悪いのだろうか?
『…何こっち見てんだよ!!』
『こんバカ息子が!!』
秋晴を威嚇してきた閻魔大王(偽)の頭に拳骨が落ちた。
もちろん大母神の拳だ。
『誰があんたの尻拭いばしてやったと思っちょるとか!!ダメっちゅうとるのにしてから!!まだお仕置きが足らんて言うとか!!』
『ひ〜ごめんかーちゃん!!!!!!』
目に映る者を正確に描写するのなら…年下に見える大母神が閻魔大王(偽)を脇に抱えて尻を叩いている。
やはりお仕置きと言えば尻たたきなのか?
そのまま目にも止まらぬ速さで尻を叩く事小一時間…閻魔大王(偽)がマジ泣きのしすぎで涙が枯れた所でやっと大母神の溜飲は下がった。
『ほら何ばしよっと!!秋晴に謝らんね!!』
『ごめんなさーい』
閻魔大王(偽)が平謝りに秋晴に謝罪する。
確かに閻魔大王ではないが、紛れもなく神々の末席に名を連ねる一柱である。
人間である秋晴に頭を下げるなど、本来ならばまずないのだが…母の力は偉大だ。
子を守るのが母の仕事なら、叱るのもまた母の仕事だろう。
ちなみに今更ではあるが、大母神は怒る時には関西弁になる…ただこれは大母神も意識的にやっているのではなく、自然となってしまうらしい…関西弁の方が迫力があるのは確かだ…若干九州弁も混じっているような気もする。
『あんたぁ罰としてこの魂ばちゃんと輪廻の内側に返して来んね』
大母神が指差すのは完全に忘れ去られていた安置だ。
持っているのが面倒になった秋晴が祭壇の隅に放置しているが、未だに目を覚まさない。
『ええ〜めんどくさ』
『ごちゃごちゃいとったらまたしばくぞ!!それから今後5000年は顔見せんな!!他の神と接触も許さん。自分の世界の管理だけしちょけ、定期的に確認すっけん!!勿論また同じ事したらこんなもんじゃすまさんぞ!!』
『うひぃ〜!!』
とっくに枯れたと思っていた涙をまた流し、閻魔大王(偽)は退場した
すでに数回似たような物を見た秋晴は、その後ろ姿を見送った。
『さて…毎回騒がせてすいませんね、秋晴』
「はぁ…」
視線を前に戻せば、先ほどまでのキジョは夢か幻だったのではないかと思うような大母神がいた。
この豹変と言うか二重人格ぶりにも割となれが来ているので驚かない。
大母神が軽く手を振ると、祭壇の中央に二枚並んだ畳が現れた。
その上には湯気を立てる湯呑がある。
おそらく茶だ。
視線を戻せば大母神がその場で膝をつき、こちらと目線が合うようにしてくれている。
その手に在るのは勿論自分用の特大湯呑だ。
中のお茶を溢さない
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