第五十一話 上からの返事その十二
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「剣士ならばどうかといいますと」
「違いますね」
「剣士はオリジナルです」
「そう、私達全員が」
「それぞれの力を使い頭も使います」
その頭もだというのだ。
「それで戦うからこそ」
「全力で潰すだけでは勝てませんね」
「アメリカ軍の戦い方が通用するとは限らないですよ」
高代は余裕のある笑みを浮かべてスペンサーに告げた。
「このことは申し上げておきます」
「そうですね。ですが」
「それでもですか」
「アメリカが何故殆どの戦いに勝ってきたか」
ベトナム戦争以外の戦争にだというのだ。流石にこの戦争で勝ったと言うことはできないことだ。
「それは柔軟性があるからです」
「アメリカの柔軟性ですか」
「そうです。それがあるからこそです」
「では貴方も」
「次にお会いした時にお見せ出来ればと思っています」
その時にだというのだ。
「ではそういうことで」
「わかりました。それではまた」
高代もスペンサーに返した。そしてだった。
彼等はお互いに別れ戦いを終えた、そしてだった。
高代はすぐに携帯を取り出してある人物に連絡を入れた。それは。
「はい、では明日に」
「明日ですか」
「お話します」
穏やかだが真剣な声だった。
「それでいいですね」
「すいません、それじゃあ」
「お礼はいいです。当然のことです」
教師そのものの口調での言葉だった。
「ですからお気になさらずに」
「そうですか」
「それではです」
高代は電話の向こうの相手にあらためて言った。
「また明日に」
「はい、明日に」
電話の相手はこう高代に返した。そして電話を切った。
高代もそれを受けて携帯を自分の懐に戻した。彼は戦いを終えたうえで一つあることをした、それは明日のことだった。
第五十一話 完
2012・11・15
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