第五十一話 上からの返事その八
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「剣士の力を戦いに生き残る為に使います」
剣士の力を暴力と呼ぶのならそうなるものだった。そして高代はこのことについても否定せずにスペンサーに語るのである。
「私の学園を築く為にも」
「その為にですか」
「はい、そうです」
まさにそうするというのだ。
「ですから今も貴方と戦います」
「わかりました。では」
「はい、それでは」
スペンサーは既に剣を持っている、そしてだった。
彼はその巨大な剣を両手に持ったうえで瞬時に前に出た。そのうえで。
剣を右から左に大きく振るう、それで高代の身体を両断せんとする。
だが高代は後ろに跳んだ、彼の一閃はかわした。
それから反撃に移る。前に戻って突きを何度も出す。
スペンサーはその突きを身体を左右に捻ってかわす、その突きを終えてから。
高代はその彼にこう言った。
「お見事です」
「実は剣以外のこともしていますので」
「格闘技ですね。それも」
「何だと思われますか」
「ボクシングですね」
スペンサーのその右に左への身体の捻りを見ての言葉だ。
「それですね」
「そうです。それです」
「そういえば足の動きも」
スペンサーの足の動きも見ていた。それはというと。
「摺り足ですが」
「日本の武道のものだとは思われないですね」
「起源はそうかも知れません」
剣道や柔道では実際に摺り足を使う、今では骨法でもだ。摺り足は日本の武道に起源があることは確かだ。
だが高代はスペンサーの今の摺り足はこれだと言った。
「ボクシングのものです」
「その通りです。この足の動きは」
「マイク=タイソンですね」
高代は言った。
「あのボクサーのものですね」
「その通りです」
「ヘビー級チャンピオンの」
それで一世を風靡した。確かに様々な事件やスキャンダルを起こしたがボクシング史に残るボクサーであることは間違いない。
「彼の動きです」
「実は私はタイソンは好きではありません」
タイソンはアフリカ系で彼もそうではあるが。
「モハメド=アリやジョージ=フォアマンは好きです」
「フォアマンもですか」
「そうです。彼等の方が好きです」
そうだというのだ。
「どちらかといえばですが」
「そうですか」
「はい、そして」
さらに言う彼だった。
「私はボクサーである以上に剣士です」
「十三人のうちの」
「だから今もです」
剣を構えながらあらためて高代に述べる。そしてだった。
後ろに跳んで今度は剣をアスファルトに突き刺した、すると。
高代は急に動けなくなった。まさに急にだ。
それを受けtそれで言うのだった。
「身体が急に」
「そのままです」
その彼にスペンサーが言う。
「貴方は潰されます」
「確かに。この重圧は」
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