原作介入は計画性を持って
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離で起こった爆発には流石に耐えきれず、再び吹き飛ばされたネギは建物の壁にぶつかってしたたかに体を打ちすえてしまった。
肺の空気がすべて吐き出されてしまったため、直ぐに動く事が出来ない。
その間に、男がネギとの距離を詰めていた。
「お前のような偽善者に教育される生徒が可哀そうだよ。安心しろ、3−A組は俺がまっとうな道に進ませてやるよ」
最後までこの男の言う事が、理解が出来ない。
そもそも酸素が足りないのか、痛みゆえか、思考がまとまらないのだ。
男が何時の間にか左右の手に持っていた白と黒の夫婦剣をネギの頭上に掲げ、振り下ろそうとしているのに何も出来なかった。
その結果を、自分のたどる道を想像してしまったネギが固く目を閉じる。
「死にやが、げひえ!!」
だが、次に来たのは刃が自分の身を裂く音と感触では無く、男の悲鳴と目の前で風が動く気配だった。
「大丈夫か?」
「え?」
思わず目を開ければ…見知らぬ男がいた。
先ほどまで自分を殺そうとしていた男ではない。
見下ろして来る目には殺意や嘲りでは無く、ネギを気遣う色があった。
「すまない。遅れてしまったな…」
新たに現われた男は、装飾過多だった銀髪の男に比べたら…普通だった。
170cmくらいの細見な背丈に、大きめの紺色のゆったりしたシャツを着ている。
下はジーンズにスニーカー、長くもなく、短くもない黒髪の下で同じ黒い瞳がある。
顔の造形は平凡的…良くもなく悪くもないが、その何処にでもいそうな姿が、わけのわからない何かに巻き揉まれたネギに日常を感じさせ、落ち着かせてくれる。
「大けがは…していないようだな…」
「ええっと、貴方も魔法先生ですか?僕を助けに?」
「…説明が難しいし、話すわけにもいかないんだが、でも“あのバカ”を止めに来たという意味ではその通りだ」
妙に年長さを感じさせるしゃべり方だ。
どこかに行った男のしゃべり方が幼稚過ぎたのでそのギャップだろうか?
「さて…」
「あ、何を…」
男がポケットから取り出した物は…携帯電話とリモコンを合わせたような奇妙な機会だった。
少なくともネギには、テレビやエアコンを動かす時に使うあのリモコンに見える。
普通は持ち歩く物ではないそれに、ネギが疑問を口にする前に…男は一つのボタンを押した。
「…は?」
魔法使いであるところのネギですら目を見張った。
男がリモコンを操作したとたん…DVDの逆再生のように、壊れた校舎や破壊された地面が元に戻って行く。
魔法でも同じ事が出来るが、このようにボタン一つと言うわけにはいかない。
「後は…」
「え?」
目の前で起こった事を必死で理解しようとしていたネギに、男は
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