第四十話 二学期のはじまりその九
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琴乃は自分のクラスメイト達にこのことを話した、その話とは。
「実は今日の部活で」
「文化祭のことを話すのね」
「そうなのね」
「ミーティングでね。それでね」
「それでって?」
「他にも話すことがあるの?」
「運動会のこともね」
文化系なので深く関係はないだろうと思われているこのことについてもだった、話すことがあるというのだ。
「部の対抗リレーのことでね」
「ああ、それあったわね」
「文化系の部活同士での対抗リレーよね」
「美術部とか陶芸部とか書道部で」
「うちの学校文化系の部活も多いから」
部活は体育会系だけではない、こうした部活に熱中することもまた青春である。
「参加する部活も多いし」
「勝つつもりなら結構考えていかないとね」
「だから今からなの」
「そっちのお話もするのね」
「そうみたい、それとやっぱり文化祭ね」
文化系の部活のメインである、やはりこのイベントについての話は避けて通れないというのだ。
「そっちのお話もね」
「そういえば最近軽音楽部って阪神タイガースばかりじゃない?」
先程とは別の娘がこう言って来た。
「何かね」
「あっ、わかったの?」
「うん、私文芸部だけれど部室が軽音楽部と隣同士でしょ」
「だからなのね」
「最近まいちに六甲おろし聞くから」
阪神の応援歌、それをだというのだ。
「選手の人達の応援歌もね」
「そうなのよ、もう先輩達がこの調子でいけば優勝出来るからって」
「祈願なのね、優勝の」
「そうなの、私達も阪神好きだし」
プラネッツの面々だけではない、一年の殆ど全員もだ。
「というか軽音楽部で阪神ファンじゃない人って少ないかも」
「まあ文芸部もそうだけれど」
「こっちの漫画部も」
「うちもバスケ部だけれど」
「バレー部もね」
体育会系の部活もだった。
「関西だからね、どうしてもね」
「関西以外から来ている人達以外は殆ど阪神ファンよね」
「関西人以外の阪神ファンも多いし」
「うちの学校って生徒も先生も大抵阪神よね」
「セ・リーグはね」
「それでなのよ」
琴乃はあらためて皆に言った。
「もう最近毎日ね、多分日本一になるまでね」
「六甲おろし歌い続けるのね」
「そうするのね」
「そうなるわ」
こう話すのだった。
「ここまできたら優勝して欲しいけれどね」
「確かにね、運動会も文化祭も阪神の色強くなるだろうしね」
「黒と黄色で学校中染まるっていうのもね」
「やっぱりいいわよね」
「いい感じよね」
阪神ファンならではのやり取りだった、黒と黄色に覆われる世界を愛さずして阪神ファンではない。間違ってもドラゴンズブルーではない。黒とオレンジは論外だ。
「スポーツ新聞も賑わってるしね」
「そうよね、最近特にね」
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