第18話 「舞台にすら立たせてやらない」
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閣下の前でも、そんな格好ができるものです。もっとも宰相閣下はお気になされていないようですし、構わないのでしょう。
「お、よく来たな。待ってたぞ」
宰相閣下が気さくにお声を掛けられました。
「はっ」
シルヴァーベルヒさんがきびきびした動作で、宰相閣下の机の前に立たれます。
「さっそく本題だ。卿はフェザーンの自治領主になる気はないか?」
「自治領主?」
フェザーンの? 自治領主ぅ〜。
隣で聞いていた自分のほうが驚いてしまいました。
「強引に首を替えさせるんだ。さらに一歩踏み込むべきだ。こちらの息のかかった人物を自治領主に据える。おかしな事でも、意外なことでもあるまい。それを防げなかった方が間抜けだ」
「確かにそうではありますが」
「という訳で、卿が行ってこい。大変だがやりがいはあるぞ。帝国と敵対しない限り、自由に辣腕を振るってよい。卿に一任する。ただし地球教には気をつけろ。取り込まれるなよ。いいな」
「おもしろそうですな。やります」
シルヴァーベルヒさんが不敵な笑みを浮かべました。
この方たち、何という事をやろうとしているのでしょうか? フェザーンを取り込むどころか、奪おうとしています。
「当面の敵は……」
「アドリアン・ルビンスキー」
「知っていたか?」
「今の自治領主の娘と結婚していますからね。次の領主になるつもりなんでしょう」
「そうだろうな。行って、踏み躙って来い」
「了解いたしました」
さ、宰相閣下。ここのところ考えておられたのは、これですか?
通りで悩んでおられたはずです。
「フェザーンの身包み剥いでやろうぜ」
「ついでのおまけに同盟もですな」
こ、怖い。怖い人たちです。
戦場とはまた違った怖さがあります。自分は場違いな気がしてきました。
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