第18話 「舞台にすら立たせてやらない」
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急募、若干名。委細面談。明るい職場ですと書かれていました」
「それじゃ。事務員を募集しても来そうになかったので、寵姫募集で釣ったのじゃ」
「自分のような下級貴族や平民ならば、たくさん来そうですのに」
「と、思うじゃろうが! 勤務地がノイエ・サンスーシなものじゃから中々来ないのじゃ」
お蔭で人手不足なのじゃ。
いかんいかん。つい愚痴を言ってしもうたわい。
「では、これから皇太子殿下の護衛に当たってもらおう」
「はっ」
見た目とは裏腹にさすが、軍属じゃ。しっかりしておるわ。
■宰相府 ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウム■
ちょっと前にフェザーンにかましてやった。
自治領主の分際で舐めた口を利くからだ。いい度胸してやがる。
今頃は次の自治領主を選んでいる頃だろう。
いよいよでてくるか?
アドリアン・ルビンスキー。黒狐が。
俺としてはルビンスカヤを希望したい。はげのおっさんはいやじゃ。
それともいっその事、帝国側から自治領主を押しつけてやろうか、けっけっけ。
……いや、冗談ごとじゃなく。今ならいけるかもしれん。
強引に首を替えさせるんだ。むしろさらに一歩踏み込むべきだ。こちらの息のかかった人物を自治領主に据える。おかしな事でも、意外なことでもあるまい。
それを防げなかった方が間抜けなのだ。
ふむ。こうなると誰を向かわせるか、それが問題だな。
誰か、か……。
そうなるとシルヴァーベルヒ。
こいつぐらいか。原作では帝国宰相とか、ほざいていたぐらいだ。やれるだろう。
おもしろくなってきた。楽しいね〜。強引にねじ込んでやろう。
楽しみといえば、近々宇宙に行くのさー。
思えば、初めてなのだ。
士官学校時分に宇宙航海実習があったはずなのだが、当時の校長に泣いて、行っちゃダメと縋られたのだ。もっともこんな口調じゃなかったが。
そんなに俺を地上に縛り付けておきたいのかよ。
どいつもこいつも。まったくよー。
とはいえ初めての宇宙。楽しみでしょうがない。
「楽しみだな〜」
「殿下ってば、まるでこどもみたいに」
「はしゃいでいますね」
お留守番のアンネローゼとアレクシアは口では、にこやかに話しつつ、目が笑っていなかった。
最初はそんなに俺が宇宙に行くのが嫌か? と思ったものだったが、実は違ったらしい。
原因はあれだ。
クラリッサ・フォン・ベルヴァルト少尉とその部下十数名。
全て女性兵である。十人以上、二十人近くいるだろう。一小隊全員乗り込んで来ていた。彼女達が俺と共に宇宙に向かう。やったね、明日はホームランだ。
とは、なんのCMだったろう?
なにかで見た覚えがあるのだが……思い出せない。
取るに足らないことだけ
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