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ヴァルハラ
戻った

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「今日中にこの森は抜けたいですね」
と、シロンは言った
「そうだな、いつまでも野宿のままは嫌だしな」
と、俺は言った
「・・・ところでシロン」
「何ですか、マスター?」
「いや、まあ、今更だけどさぁ・・・」
「はい?」
「何で俺はお前に抱っこされたままなの?」
そう、俺は今、シロンに抱っこされている、まあ、こうしないと自分では歩けないんだけどな
すると、俺を抱っこして歩くシロンは、「そんなの決まってるじゃないですか」と、前置きして言った
「マスターは御自分では歩けないし、それに抱っこでも何でもしろって言ったじゃないですか」
「まあ、確かにそう言ったけどさぁ・・・」
まさか本当にずっと抱っこしたままだなんて思わないだろ、と心の中で呟いた
「てか、腕疲れないのか?」
「そうですね、少し疲れました」
「だったら下ろせよ」
「嫌です」




「マスター、町に着きましたよ」
シロンはあれから俺を抱っこしたまま町まで歩いたというのに息切れの一つもしていない、俺はシロンの体力に若干呆れながら
「ああ、見ればわかる」
と、言った
「この町には温泉があるんですよ」
と、シロン
へぇ、この世界にも温泉ってあるんだ、そういえば俺がこの世界に来てから風呂に入ってないな
「では、宿に向かいましょう」



俺達は宿に着くと糸が切れたように床に倒れ込んだ
「あぁ〜、疲れました〜」
と、シロンは言った、町に着いたときは平気そうにしていたが、どうやらかなりやせ我慢していたらしい、俺はべつに歩いてないがずっと抱かれたままだったので、シロンとは別の意味で疲れた
「マスター、温泉入りたいです」
「そうか、入って来いよ」
「え?マスターは入らないんですか?」
「まともに体を動かせないんだぞ、入れるわかないだろ」
「だったら私と一緒に入ればいいじゃないですか」
「はあ!?」
いやいや、何いってんのコイツ!?
「駄目にきまってんだろ!!」
「えぇ〜マスターも一緒に入りましょうよ〜」
本当何言ってんのコイツ!羞恥心というものがないのか!?
なんて思っていると、ドクンッ、と心臓が大きく脈打った
こ、これはあのときの!?
「ど、どうしたんですかマスター!?」
と、シロンが言った瞬間視界が真っ黒になった
ふと視界が戻ると、自分の姿を確認した
「も、元に戻ってる!」
と、俺は想わず叫んでしまう、だがそこで気付く
下半身がスースーする
ま、まさか・・・うん穿いてない
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