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魔法少女リリカルなのはSCARLET 〜紅い狼の伝説〜
第3話 対面〜高町一族〜
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         ・・・・
 首に当たる直前に止まった。


「なっ!?」


 予想していなかった事態に困惑する。
 確かに今の一撃は決まったはず。ならなぜ・・・・・・・・・


 見間違いかと思い、もう一度振るった小太刀を見てみると・・・・・・・・・・・・



「っつう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっぶな」


 止まっていた。いや、止められていた。

 それなりに力を込めて、少なくとも、さっきまでとは比較にならない強さと速さで出したはずだ。
 そうだというのに、俺が繰り出した一撃は、司の持つ左の小太刀で確かに止められていたのだ。




「・・・・・・・・・・・・・・・」






―side 司―



「(修正、1ヶ月はかかりそうだなぁ・・・・・・・・・・・・)」


 構えを解いて最初に思ったのは、そんなことだった。

わざと隙を作ってカウンターを入れる戦いなら何度もしてきたけど、身長と体重の変化のせいで、上手く立ち回れなかった。
 実際、恭也さんの攻撃を受け止めただけで、カウンターは出来なかったし。


「・・・・・・」



 恭也さんの視線の先に転がっているのは、俺が今さっきまで持っていた小太刀。


 そうだ。恭弥さんの攻撃を、俺は確かに防いだ。

 けど、構えが不完全だったのと、やはり体重が減ったこともあり、受け止めるのではなく、なんとかそらす形で防ぐことができただけだ。

 その証拠に、威力を殺しきれなかったせいで、小太刀も吹き飛ばされたし。


 やはり、戦闘面でのこの変化は大きい。


「あ〜〜〜〜〜〜〜〜っ、疲れた・・・・・・・・・」


 気を抜いた途端、一気に体が重くなり、思わずその場に仰向けになる。


「司」


 小太刀を見ていたはずの恭也さんが、いつの間にか俺の方に向き直っていた。


「その・・・・・・・・・大丈夫か?手、痛めたんじゃないのか?」


「ん?・・・・・・あ、ああ・・・・・・大丈夫です。多分・・・・・・・・・」


 弾かれた左手をひらひらと振ってみせる。


「ん、そうか。ならいいんだ・・・・・・・・・・・・・・・」


 異常がないのを確認して、恭也さんもホッと胸をなでおろした。



「二人共、少し休憩にしよう。司君も、動きっぱなしで疲れたんじゃないのか?」

「はい・・・・・・もう・・・・ほんとに・・・・・・きっついです」


 冗談ではなく本当に。口を開けて話すのも辛いくらいだ。

 たったこれだけの組手だというのに、もうこれ以上動ける気がしない。
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