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魔法少女リリカルなのはSCARLET 〜紅い狼の伝説〜
第3話 対面〜高町一族〜
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けないんだよな・・・)」



 転生する前に、というか死ぬ直前に決めていたこと。


 『絶対に戦ったりはしない』という枷を、早速こんな形で破ってしまった。
 




「(まあ、命のやりとりにはならないから、いい・・・かな?)」




 心の中で自分に問いを投げかける。


 今からするのは、俺が今までやってきた『死合』ではなく『試合』。


 命のやりとりはなく、ただ正々堂々と、相手と剣を交えるだけ。






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 俺の手に握られているのは、小太刀サイズの木刀二本。


 同じ獲物を持つ恭也さんも、決して命のやり取りを快感だと思う『狂人』ではない。






「(なら・・・いいのかな?)」



「手加減は・・・?」






















「・・・・・・・・・・・もちろん、なしでっ!」


 俺の返答に、恭也さんは静かに笑って返す。
 大丈夫、この人とならやれる。




















「まあ、そうは言っても手加減はするけどな」


「ええ〜〜」



 わざとらしくおどけてみせる。


 そんな俺を見ても、恭也さんは顔を歪めることなく、ただ悠然と構えているだけだ。



「それでは・・・始め!」


 士郎さんの開始の合図と共に、俺は姿勢を低くし、恭弥さんの方へ走る。



 そして、挨拶がわりの右手の小太刀による横薙ぎ。




「フッ!」


 カァン!と小気味の良い音が道場に響く。



「!!」




 突然の強襲に驚いたのか、恭也さんは少し目を見開いている。


 当然だろう。今恭也さんが相手にしているのは、恭也さんの知らない『紅神司』。

 この世界の俺がどれくらい動けたかは知らないけど、かじった程度の剣術しかできない人間とは違うんだよ!




「なかなか・・・・・・・・・いい一撃じゃないか!」



「ありがとうございます。でも・・・・・・・・・まだまだぁっ!」





 追撃を仕掛けようとしたが、恭也さんの反撃に阻まれた。

 初撃の勢いが完全に消えた俺に目掛けて縦一閃。




「ッ!!」




 俺はそれを、両手の小太刀をバツの字に重ねることで受け止めた。





















 が。



「うぉっ!?」




 
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