Episode17:帰還と姉弟共闘
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「…あふ……」
「どうしたのよ隼人?さっきから欠伸ばっかじゃない」
生徒会室での一幕のあと、特に何事もなかった俺は真っ直ぐ家に帰ってきていた。そこにはいつも通り姉さんが居間で寛いでいて、大学のほうはどうなってんのかと疑問を覚えつつ適当にニュースを見ていたときだった。
「そうかな?まあ、それくらい平和ってことじゃないのかなー?」
なんて呑気なことを言ってたら思い切り姉さんに溜息をつかれた。
「平和ボケもいいけど、腕は鈍ってないでしょうね?」
「平気だよ。一応、修行はしてるしね。なんだったら、試してみる?」
姉さんの言い方に少しカチンときた俺は、少し挑発気味にそう言ってみた。負けず嫌いな姉さんなら、すぐ食いついてきそうだけど。
「遠慮しておくわ。昔あなたとやって消されそうになったもの」
「あ、あれはまだ制御がうまくできなかったときだったから!」
多分、俺が消失を使い始めた頃のときの話しだろう。あの頃は自分の能力がうまく制御できなくて、暴走させてしまっていた。よく勝手に移動魔法が発動して食器割ってたなあ…その後、母さんとお仕置きという名のリンチだったけど。
う、思い出したら寒気が。
「あの頃は制御が失敗する度にお母さんからお仕置き受けてたものねえ…」
「それ今思い出して寒気してたんだから言わないでよ」
うぅ…今でも鮮明に思い出せる…避雷針体験ツアーとか、絶対零度体験ツアーとか、火達磨体験ツアーとか……
「うわぁぁ……ごめんなさいごめんなさいぃぃ…」
「なに急に謝りだしてるのよ?ああ、そうだ言い忘れてたわ」
「ん?なに?」
「今日、お父さん達が帰ってくるから」
「…………」
たっぷり固まること数秒。
「そういうことはもっと早く言えーーー!!」
「そろそろ着くか……」
「そうね。久しぶりねー…あの子達は元気でやってるかしら?」
日が落ちてきた夕暮れ、二人乗りのキャビネットの中には、二人の男女の姿があった。
男は肩まで届く青い髪をもち、スラッとした鼻筋に鋭い目つき、雰囲気そのものが刃のように尖っている。そんな男と仲睦まじく談笑する女性は、濃い茶色の髪を腰の辺りまで伸ばし、男性とは対象的な、穏やかな雰囲気を纏っていた。
「先週だってテレビ電話していたんだぞ?そん時はなんともなかったらしいし、大丈夫だろう?」
「それはそうだけど…」
まだ煮え切ら無い様子で溜息をつく女性を見て、男性は微
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ