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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
その日、言うなれば――
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尽力している訳ではないのだ。

 一日でも早いこの世界からの生還。
 ただ、ただただ、そのためだけに戦ってきたのだ。
 現実世界での自分の『失う』時間を少しでも減らすため。
 利己的な、自己中な思考。その考えを団員にまで押し付け、根を上げるまでレベリングを強いている。
 ここ最近ではギルド内部にアスカに反対意見を上げる者も少なくない。今は圧倒的レベル差、そして閃光としての貫録で無理矢理納得させているが、いつまでも〈血盟騎士団〉が一枚岩でいられる可能性は低い。
 なのに、その攻略一本な姿勢を買われ、〈攻略組最強ギルド〉の名と共に閃光だの呼ばれて新聞ではヒースクリフ共に解放のための勇者などとも書かれたことがあるのだ。

 ――誤解も甚だしい。俺は自分のためだけに戦ってきた利己的な人間だ。《ビーター》なんかよりずっと――

「アスカ?」

「っ……」

 そんな泥沼に陥りそうなアスカはキリトの声ではっと目を見開いた。

「……いや、何でもない」

「そうか? 最近、いつにもまして攻略熱心だけど、どうかしたのか?」

 不意に発せられた問いに対して言葉に詰まる。
 心当たりはあった。三週間ほど前に、四月――こちらではサクラの月――に入ったからだ。
 それは仮にSAOに囚われることが無ければ、高校二年生に進学していた事実をアスカに突きつけていた。そして進学するチャンスを逃したこと、また一年《失った》ことを意味している。

 覚悟はしていた。

 どれだけハイペースで攻略しようとも、あと一年はかかる。だが、それでもこうしてまた一年、周りの人間から遅れるという事実を突きつけられるのは辛い。
 そのせいで、不規則な生活に拍車がかかっているのは自覚していた。なんせ平均三時間程度だった睡眠時間を削り、夜中にソロプレイでレベリングに没頭しているほどだ。

 一部のプレイヤーが逸脱したレベルを保持しているせいで、ボスパーティー編成時に苦労していることを知っている……と言うより、実際に苦労している本人が率先してその差を広げるような行為をしていることに、矛盾した感情があることを理解していた。

「……何でもない。早くこの層を突破したいだけだ」

 ズキズキ、と寝不足で痛む頭を軽く押さえながら本心ではあるが、適切ではない回答を返す。

「んー……まだ迷宮区に到達してすぐだろ? あと一週間……いや、十日はかかるだろ」

「分かってるよ」

 全部分かっているが、それを受け入れることができないだけだ。

「そっか……」

 素っ気なく答え、何か考え込むかのように顎に手をやるキリト。

「なんだ?」

 アスカの問いにも答えず、まるで何かを思い出そうとするように唸るキリト。
数秒後、

「この
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