暁 〜小説投稿サイト〜
豹頭王異伝
暁闇
指導者の帰還
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の庭を照らす。
 光の船の展開する超科学の防御力場、不可視の障壁が解除された。
 不休不眠で結界を張り続け、聖者の帰還を念じる魂の従者。
 ヴァレリウスは柄にもなく運命神ヤーンに真摯敬虔な祈りを捧げ、不安に震える心話を送信。
(ナリス様、御無事で…)
 感情の激浪に念波が乱れ、心話を形造る事も言葉にする事も出来ない。
 灰色の瞳を慄かせる魔道師の裡に、懐かしい心話が響いた。

(様々な夢を見たよ、ヴァレリウス。
 3日前には世界を護る運命の戦士、グインに会えたら死んでも良いと思っていたけれど。
 アグリッパに会った君を嘗ては死ぬ程、羨んでいたけれどもね。
 もう、そんな事はないから安心し給え。

 古代機械を使えば治療が可能、とは想像も出来なかった。
 グインに、感謝しないといけないね。
 今の私は生まれたての、赤ん坊の様なものだな。
 何もかもが、とても新鮮だよ。

 リンダとヨナに、伝えておくれ。
 私は産まれたての赤ん坊の様に、元気だとね。
 ああ、床が上昇を始めた。
 私の傍に来て、身体を支えてくれないか。
 奇蹟の帰還を果たした神聖パロの聖王が無様にも、皆の前で転倒する訳には行かないからね!)
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