転換
光の船
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本来であれば当惑星文明の公開禁止技術にランクされる為、部外者の入室は許されませんが。
セカンド・マスターの身体機能を考慮し、1名のみ随行者の入場を許可します )
魔道師達はナリスの車椅子、傍らに立つヨナを中心に円陣を組んだ。
集団で魔力を統合する空中浮揚の術を駆使し、慎重に接近を試みる。
流石に緊張を隠し切れず、強張った表情のヨナが車椅子を押す役を担当。
古代機械の内部に足を踏み入れ、銀色の光に満ちた部屋へ歩を運ぶ。
カラヴィア公子アドレアン、予知者リンダが椅子の上で気を喪っている。
リンダの足元に寝かされている異種族セムの娘を見て、驚きの色が走った瞬間。
古代機械の《声》が、ヨナの脳裏に響いた。
( 苦痛状態を緩和する為、呼吸器より全身麻酔を行います。
登録名ヴァラキアのヨナは、操縦席《コンソール》に着席してください )
無用な疑問質問を挟み無駄な時間を費やす事無く、車椅子を後方に固定。
ナリスの顔色を確認の後、銀色の水晶を思わせる操縦席に着席。
正面の表示画面《スクリーン》を一瞥すると、『転送完了』と表示されている。
(豹頭王が部下達と合流する為、古代機械を用いて自分自身を転送したのだよ。
グインが古代機械を操作可能だと証明された訳だが、さて竜王はどう出るかな)
心話を受ける事は可能だが魔道師ならぬ2人に、思念波を送信する能力は備えておらぬ。
ナリスの思念を古代機械が中継、ヨナに送り込み次の操作を促す。
(古代機械は私を見棄てず、マスターの有資格者と認めているらしいね。
グインを《ファイナル・マスター》と認め、私を無視するんじゃないかと心配したよ)
本気とも冗談ともつかない心話が伝達され、ヨナの緊張を解す。
微かな音と共に空気が動き、何処からか甘い香りが漂って来る。
唐突に意識が喪われ、視界を闇が覆った。
ナリスとヨナが光の船に入り、姿を消してから数タルザン後。
光の船は未知の結界を張り、魔道師の視力を以ってしても透視は不可能。
内部に居る筈のナリス達の気も感知出来ず、気を揉むヴァレリウス以下。
主の命令に従い忠実に結界を張り続ける魔道師達の前で、水晶の如き扉が開いた。
心臓の高鳴りを抑え、ヴァレリウスの鋭い心話が飛ぶ。
(うろたえるな!
念波を統合し、結界を強化せよ!
精神生命体と称する聖王宮の魔王子、キタイの竜王に嗅ぎ付けられてはならん。
全員、魔力を俺に同調させろ)
上級魔道師10名が手印を結び、上級ルーン語の複雑な呪文を詠唱。
魔力を共鳴させ、最大限に増幅。
ゆっくりと上昇してくる水晶板の上に、ヨナの姿が見えた。
黒い魔道師のマントが翻り、ガーガーの如く飛来。
光の船に向け接近
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