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光の船
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他3名が各20名の下級魔道師を統率。
上級魔道師ギール、数名の下級魔道師も増援前から神聖パロ側だが。
下級魔道師1名は『竜にやられた』の遠隔心話を最後に、消息を絶った。
ランズベール城、ジェニュアを脱出の際にも黒魔道師の攻撃を受けている。
マルガに辿り着き、タウロを倒した時の魔道師軍団は約百名。
キタイ勢力の侵略が実証された時点で、カロン大導師も総力戦に踏み切ったが。
3千年に渡り直積された魔道の術、知識、研究成果は竜王の操る黒魔道に通用せぬ。
パロ聖王家の隠密部隊、魔道士の塔に所属の白魔道師達は帰還命令に応えなかった。
1級魔道師タウロ同様に乗っ取られ竜の門、隊長クラスの黒魔道師と化した可能性が高い。
上級魔道師12名の他は竜の門に歯が立たず、下級魔道師の実力は相当に落ちる。
ヴァレリウスと世界三大魔道師の差には及ばないが、約半分といったところか。
下級魔道師も魔力の強弱と扱える術の精度は異なり、数段階に格付けされている。
1級・2級の魔道師20名は中級とも称され、上級に準じる程度の術者も含まれるが。
3級以下の魔道師40名は格段に魔力が落ち、竜の門には手も足も出ない。
魔道師免状を持たぬ見習い、約20名も伝令の役割を務める為に動員された。
パロ魔道師軍団の精鋭は慎重に閉じた空間を操り、ナリスを小島の隠れ家へと運び込む。
イシュトヴァーンとナリスが嘗て再会を果たし、運命共同体となる選択をした因縁の場所。
ナリスの身体は幸い、グインの注ぎ込んだ活力の効果で好調を維持している。
古代機械の認める<セカンド・マスター>が瞳を閉じ、特定の思考を閃かせる。
鍵となる念波を魔道師達が増幅して、水面下に向け送信。
夕陽に染まる湖岸の水面から、未知の物体が姿を現した。
水中を魚の様に滑り進む、流線型の細く美しい船体。
船首には猫の頭を持ち、水晶の様に輝く守護女神の像。
やや小型の純白の翼が双つ背中に生え、ルビーの様に赤い瞳が煌く。
通常の船と異なり、帆もマストも甲板も無い。
微かに白く輝く透き通った船体、水晶の様な材質で出来た天板と円筒が全体を覆う。
奇妙な古めかしい字体で右舷に書かれた金色の文字は、《ランドック》と読める。
第一段階の思念波に続いて、ナリスが新たな思考を紡ぐ。
代々のマスターにのみ伝授される秘法、第二段階の《パスワード》。
何処にも入口は無いかに見えたが、水晶の壁が音も無く左右に開いた。
古代機械の《声》が響き、魔道師達の精神障壁《サイコ・バリヤー》を易々と貫通。
( セカンド・マスター<アルド・ナリス>、お入りください。
ファイナル・マスターより神経細胞の再生治療、松果腺刺激手術の施行が命令されました。
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