暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはSCARLET 〜紅い狼の伝説〜
第2話 現状把握
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「っつ!」


 言いようのない感覚とともに俺は目覚めた。






「・・・また・・・あの夢か」


 俺が人間として生きるのをやめた日。化物として生きていくことを決めた日。


 そして、みんなと別れた日。






「・・・もう割り切ったつもりだったんだけどな」


 どうやらあの夢は、俺が記憶をさっぱり忘れでもしない限り、永遠に付きまとうみたいだ。
 全く、どうしようもないな。





そんなことを考えながら、自分が寝ていたところから体を起こし、辺りを見渡した。











「ここは・・・森の中・・・か」


 俺の視界全てに広がるのは、無造作に伸びている木々。
 どうやら、どこかの森の中で目覚めたらしい。













「・・・転生・・・したんだよな」


 神様のじいさんが言ってたことが本当なら、俺は転生し、どこか別の世界に飛ばされた。

 





「・・・・・・・」


 はっきり言って実感がわかない。
 あの時はじいさんの流れに任せて転生を肯定してしまったが、今となっては、転生そのものに疑問を感じている。


 現に、俺には死ぬ前の記憶がしっかりと残って・・・・・・あれ?













「俺、どうやって死んだんだ?」


 思い出せない。いや、自分がついさっき死んだことは覚えているが、そこに至る経緯とかが、全く思い出せない。
 まるでその部分にだけモヤがかかっているかのように。










「なんで・・・・・・・・・・・・・・・」


 何がなんだかわからない。
 いきなり転生したと思ったら、今度は記憶まで失って・・・
























 ・・・考えても無駄だ。

 今考えたって、どうにかなるわけじゃあるまいし、きっとどうにもならない。


 

 思考を中断し、再び自分のいる森を見渡す。


 程なくして、近くに立っている木の下、根元の辺りに何かの袋を見つけた。












「これは・・・俺のカバン?」


 近くまで来て確認したが、これは間違いなく俺が使っていたカバンだ。
 最初はてっきり同じ形をしているだけと思ったが、カバンについた傷を見る限り、俺が使っていたカバンに間違いない。





 俺は早速ふたを開けて中身を確認してみたが・・・持ち物まで全部揃ってやがる。
 転生した時に一緒
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