§3 現世を満喫する魔王
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われてたり?まさかその狐さんが原因ってわけじゃないだろうし」
……おいおい、この巫女。鋭すぎだろう。黎斗は内心舌を巻く。正体がバレればいろんな所から追われそうなプロフィールの所持者である気もするが自分では危険人物ではないと思う。まぁ一撃で都心を無に帰すことの出来る力を持っている人を安全人物とは言えない気もするけれど。
どうする自分。まず須佐之男命に関しては将棋仲間……無理だ。絶対信じてもらえない。
「えっと……」
いっそバラすか。一人二人バレても黙っていてもらえれば問題ないし。護堂にもいずれは話すわけだし。もう妖狐とバレてるんだし対して変わらないだろう。そう考えて口を開こうとする。
「昔ある事情がありまして。須佐之男命様と私でマスターのサポートをしています」
「ナイスアシスト、エル!」と黎斗は心の中でエルに感謝した。しかし問題はここから。果たしてこの直感巫女から隠し通せるか。
「あ、そーなんだ。それにキミ、喋れるんだね。お名前は?」
「私はエルといいます。あ、術とかは使えませんよ? 感じとれるだけですので」
「あ、あら……?」
巫女と妖狐の会話は瞬く間に話題を変え誤魔化し方を考えずにすんでしまった。黎斗はほっとひと息つきながらココアを口に入れる。とっても、おいしかった。
巫女の隣には懐かしい剣。須佐之男命と打ち合った時に散々苦戦した神代より伝わる神剣だ。彼女が継承したのだろうか?
「どうしたの?」
どうやら天叢雲劍を見ていたのがバレたらしい。笑って誤魔化す。
「ん。いや、ちょっとね。剣だなーって」
「恵那さん、マスターが変なのは昔からです。あまりお気になさらず」
あんまりと言えばあんまりなエルの言い分に思わず苦笑いせざるを得ない。エルを軽く小突き外を眺める。
先ほどまで月が見えていたのに、今は見えない。風雨が突然襲ってきたようだ。窓を雨が叩くのとほぼ同時に、携帯電話が鳴る。無論、黎斗のではない。
「あ、おじいちゃま?」
どうやら須佐之男命との会話らしい。通話の度に嵐とは、相変わらずはた迷惑な神様だ。恵那と会話している須佐之男命を想像して顔が少しにやけた。彼はどんな顔をして彼女と会話をしているのだろう?
「えーっ!?」
恵那の声に、意識を室内に戻す。どうやら須佐之男命と揉めているらしい。こっちを恵那がチラチラ見ている。もしかしてトラブルに巻き込まれるのだろうか? 黎斗の背筋に嫌な汗が流れる。
「バレないように、ってのが大変なんだけどなぁー……」
聞こえてきた「バレないように」のフレーズで嫌な予感がビンビンくる黎斗。
「うん、わかった。やってみる! 祐理のためだもんね!」
どうやら解決したらしい。恵那
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