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魔王の友を持つ魔王
§3 現世を満喫する魔王
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 ……カップルか。カップルなのか。しかもラブラブの。
 妬ましく思いながらも優しき男性にお礼と相談をしようとして振り向く。

「イケメンカップルがおる……」

 相手と自分の容姿の差に愕然。ついでに生で見た金髪美少女に呆然。結果、第一声は情けない物になった。

「は?」

「あぁ、ごめんごめん」

 我を取り戻した黎斗は事情を説明する。エルはリュックの中で丸まって動かない。

(強大な魔力……神殺し?マスターの御同胞かな?彼女は……魔術師? 私じゃ相手になりそうにないですね。おそらく逃げるだけで精一杯)

 おそらく見られたら一発で妖狐とバレるだろう。厄介事を増やさないためにも、彼女は気配を押し殺した。




「ありがとー!」

「気にすんなって」

「うん!エリカさんも、デートの邪魔してごめんねー?」

「だからちが「あら、殊勝なのね」……エリカ、お前…… まぁ、また夜にな!」

 2人が、帰って行く。幸運な事に護堂の家の隣にマンションがあり、運良く部屋が空いていた。2階の端で日当たり良好。トイレ、キッチン、風呂ありで窓を開ければ外は綺麗。お買い得である。手続きをサラッと済ませ住所を手に入れた彼はエルと共に家を出た。目指すは携帯電話の購入及び護堂の通う高校への編入である。日本に来て初めての”人間の”友人だ。でも神殺しの魔王だから人間ではないのだろうか? 夕食を招かれているので用事はサクサク済ませたい。

 護堂の家の前で木々を眺める。

「ねぇねぇ、護堂ってどこの高校かわかる?」

…………

「ふむ、わかった。ありがとっ」

……

「ん?あぁ、その高校に転入しょうかな、と」

………………

「だいじょーぶ。これからよろしくね」

 木から高校名を聞いて歩き始める。迷ったら鳥に聞けばよい。まず入学手続き、それから携帯電話購入。須佐之男に友達ができたことを自慢し新居を伝えよう。そんな事を考えながら黎斗はのんびり歩き始めた。まず目標は携帯電話の復旧だ。




「ありがとうございましたー!」


 携帯電話を買い、転校手続きを済ませた黎斗は意気揚々と校舎を飛び出し早速須佐之男命に電話をかける。

「スサノオー!友達出来たんだよ!!あと住居も決まった!」

 嬉しそうに話す黎斗。彼からかけているせいか、須佐之男命が通話相手であるにも関わらず天候は晴れそのものである。

「うん、うん、まぁだいじょーぶでしょう。多分。第一、僕を神殺し??あぁ、カンピオーネだっけ? カンピオーネと知ることは出来ないよ。相手が本気になりゃ別だろうけど、一般人にしか見えない相手に本気にゃならんだろうさ。もっともお前やアテナ辺りだったら顔バレしてるから話は別なんだけ
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