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俺がDIO?
喪失編
二話
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多量の汗を流し、先程よりも顔を青くしながら足の違和感の正体を食い入るように見た。

「幽霊でも見たような顔だな。船長?」

そこには船長の足を掴んだDIOがいた。

吸血鬼に一般的な常識はないと同義だ。
胸を刺せば、死ぬ、頭を撃ち抜けば、死ぬなどの常識は通用しない。
元々存在自体が常識から外れている、非常識な存在なのだから。

船長が叫ぶ前に掴んだ足へ指を食い込ませ、吸血と同時に吸血鬼エキスを流し込む。
じたばたと暴れ、慈悲を乞う行為に最早意味など皆無だった。

やがて、体から熱が消え、俺は日が当たらない屋内へと船長を放った。
まだ朝方、ゾンビ化させても日に当たっては意味がない。
額の傷は既に船長の血により、跡形もなく治癒していた。

それでふと思い出す。
全員をゾンビ化させると航海は大抵は夜になる事は避けられない。
それだと効率が悪く、日中に何か非常事態が起きても、対処すらできなくなる。

俺はしばらく思案した後、振り返り硬直している海賊2人を見た。

「では.....お前達には選択させよう。抵抗せずに俺に殺されるか、俺の配下となり、服従を誓うか、選べ」
「......」

少女と海賊の男はひきつった笑みを浮かべ、頭を縦に振る。

この選択肢の中で選べるものなど1つしかなかった。
それは元より俺も承知していた。
そう、これはただの建前だ。

絶対の服従を誓わせさせる為の鎖。

「明日の早朝、出港する。船出の準備は任せた。それと船長の死体は外に出すな」

「は、はい!」

「了解です!」

返事を聞くと、すぐに俺は船を降りた。






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