第二十一話 銀行強盗と御坂さん
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中で焦っているであろう銀行強盗の様子は俺から見えないが、通常ではまず聞くことの無いようなエンジン音から、銀行強盗が何度もアクセルを踏みつけていることが伺える。
俺は演算を維持しながら車に近づいていき、運転席のドアの横に到着した。
「おいっ!」
中の銀行強盗に向かって声をかけ、ドアの取っ手に手をかけようとしたその時だった。
「なっ!!」
車がいきなり急発進したのである。
どうやら俺の演算は目視している時点で正確に出来ていても、目を離すと微妙にずれが生じているようで、後輪が見えていた時にはちゃんと持ち上げることが出来ていたにもかかわらず、銀行強盗のほうに意識がいった瞬間から少しずつ下降していたらしい。結局、タイヤが軽く地面に接触し、車が少し前に進んだ時点で俺に再演算の対応が出来なかったため、車が急発進してしまったというわけである。
俺と車の距離は恐らく30cmも無いくらいだったはずだが、車がまっすぐに進んだため俺は無傷で済んでいた。
車はスピンターンで反転し、俺のほうに向いてエンジンをふかし始めた。このままだと俺の後ろに居る佐天さん達にも被害が及ぶので、俺は道路の真ん中まで歩く。後輪軸だけ持ち上げた時の感じから、車全体を瞬間的に持ち上げることは出来そうなので、車が突進してきた時に投げ飛ばすことを考えていたのだが……。
「ここは私に任せて」
いつの間にか隣に御坂さんが立っていた。
「もう、お姉さまったら」
白井さんのため息交じりの声が後ろから聞こえるが、それ以降はアニメと同じ展開で、俺達に向かって急発進してきた車に御坂さんが超電磁砲をぶっ放し、超電磁砲を喰らった車が俺と御坂さんの上を飛んで行き、白井さんの更に後方で墜落。これで犯人達は全員御用となったわけである。
ついでに言うと、俺の位置からだと佐天さんと初春さんの「すごい……」というつぶやきは残念ながら聞こえなかった。
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