第二十一話 銀行強盗と御坂さん
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俺が提案すると御坂さんも賛同してくれたので、そのまま全員で手分けして探すことになった。出来れば怪我をして欲しくないので佐天さんと一緒に行動したかったのだが、手分けして探すということなので一応佐天さんとは別行動を取ることになってしまう。俺が気配の探知能力で男の子を先に見つけ出せば何の問題も無いのかもしれないが、それをすることで男の子の代わりに佐天さんが人質にされてしまう可能性も考えられるし……、などと色々考えている内に結局アニメ通りの展開を迎えようとしていた。
「そっちはどう?」
「ううん、見つからないわ」
バスの乗降口に居る御坂さんから聞かれて答える。その瞬間、俺はアニメの展開を思い出して佐天さんの姿を探す。すると、佐天さんは銀行強盗に腕をつかまれた男の子に向かって走り出したところだった。
「チッ!(ヘイスト)」
舌打ちをしながら魔法を使い俺も走り出す。事前に犯人の逃走用の車が駐車してある位置は確認していたのだが、そっち側は取り敢えずバスから離れていて、更に爆発のあった銀行からも遠いということで、先にバスの付近から探すことになった為佐天さんの近くには居なかったのだ。
銀行強盗に連れて行かれそうになっている男の子に佐天さんがしがみつく。
佐天さんに気付いた銀行強盗が佐天さんを振りほどこうとする。
その様子をスローモーションで見ながら俺は広場から生垣とガードレールを飛び越える。
「だめー!!」
佐天さんは男の子を離すまいと必死になっている。
銀行強盗が佐天さんを蹴るために片足を上げた。
「間に合えーっ!!」
銀行強盗の足が佐天さんに向かって蹴り出される。
俺はその銀行強盗の足に向かって飛び蹴りを喰らわせる。
「どぅわっ!? 何だお前は!?」
俺の飛び蹴りは銀行強盗の足を捉え、銀行強盗は体勢を崩して倒れこんだ。そして、俺は銀行強盗と佐天さんの間に立って言い放つ。
「女の子の顔を蹴ろうなんて最低ね!」
「くっ」
俺が言い終わるかどうかの時点で銀行強盗は急に立ち上がると、車に向かって猛ダッシュをして乗り込んだ。
「まったく……」
そうつぶやくと俺は能力を使って車の後輪軸を持ち上げる。本来ならば前輪駆動の車だったはずなのだが、アニメでは後輪駆動として動いていたので後輪のほうを持ち上げたのだ。車の重量は、人や荷物を載せても1.5トン程度にしかならないはずで、エンジンなどの重量物が前側にあることから後輪軸が1トンを超えることも無く、俺の能力でも充分に持ち上げることが可能なのである。
銀行強盗はエンジンを掛け車を発進させようとするが、俺が後輪軸を持ち上げていることでタイヤが空転し車が動き出すことは無かった。車の
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