第二十一話 銀行強盗と御坂さん
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「そりゃあそうだろう」
「ま……まぁ、そういうことなら……もう少し女子で来る回数が増えるかも……」
特に姫羅で学校へ来たいわけでもないのだが、これで今までよりも姫羅で登校しやすくなったのは確かだ。
「別に無理する必要は無いんだぞ?」
「はい、分かってます。それでは失礼します」
先生が気遣ってくれるが、俺には余り必要ないものだったりする。
「はい、お疲れ。気を付けて帰れよー」
こうして俺は職員室での用事を済ませ、下校することにしたのである。
校舎から出る時、俺は生体データ識別能力で初春さんと佐天さんをサーチしてみたが、二人とも別々の場所ではあるもののまだ学校内に居るようだ。というわけで、初春さんのスカートめくりイベントは多分まだ発生していないのだろう。それを見るために学校に残るのもいいかもしれないが、イベントが発生するまでどのくらいの時間が掛かるのかも全く分からないのでそのまま学校を出ることにした。
学校を出て向かった先はクレープ屋『るぶらん』がオープンするはずの場所である。クレープ屋のオープン情報は見つけられなかったが、出店位置は大体把握している。まず、銀行強盗に襲われるのが『いそべ銀行』という名前だったのを覚えていたので、場所を特定するのは簡単だった。いそべ銀行自体は学園都市内にいくつかの支店を持っているが、目の前に大きな広場があって第7学区かそれほど離れてない場所となると、ここしかないのである。
「今日オープンですー。よろしかったら是非いらして下さいー」
広場の手前でクレープ屋のチラシを渡される。やはり今日、この場所で原作が開始されるのだろう。チラシに目をやりながら歩いていると、ふと気が付いた。
「ら……らぶるん!?」
そう、チラシに表記してあった名前は『らぶるん』だったのだ。今までずっと俺は『るぶらん』で検索してきたわけだから当然引っかかるはずも無い。
チラシを見ながら歩いていたのでいつの間にか広場を通り抜けてしまったが、振り返って広場を眺めてみるとクレープ屋の車が止まっているのが見えた。まだ開店準備中のようで、今はちょうど店員の人が看板を出しているところだ。
俺は取り敢えず近くの自動販売機へ向かい柘榴コーラを購入し、広場のほうへ戻ってクレープ屋の車が見える位置のベンチに腰掛ける。
「それでは、今からオープンです」
ゆっくり時間を掛けて飲んでいたので10分ぐらいは経っただろうか、柘榴コーラを飲み終わって空き缶を清掃ロボットの前に転がしたところで、クレープ屋が開店することを店員が呼びかけ始めた。もっと開店前から人が並んでいるのかと思っていたのだが、実際には店員が呼びかけてから数人が集まってきた程度でしかなかったの
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