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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十五話
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ぬぉおおおッ!」

 最初は焦りがちなシグナムだったが、戦う間に当初予想していた通り時間をかけざるを得ないと判断したようで、手数に勝るロドスシルトに対して落ち着いて対処している。

「どうしたシグナム、さっきまでの威勢はどこへ行った!」
「ほざけ!」

 本来は彼女も手数で押すタイプなのだが、両手にそれぞれ武器を握る彼に手数で勝負するにはどうしても一歩遅れてしまう。ならばと彼女が選んだ戦法、それは。

「はぁっ!」
「くっ、重いし速いッ……」
「何を言う。以前貴公と戦った時と同じ技術だぞ?」
「これでかっ……!?流石は貴殿、ますます手強くなっているな。だがそれでこそ、相手にとって不足なし!」

 一撃の重さに重点を置いたヒットアンドアウェイである。蝶のように舞い、蜂のように指すといえば聞こえはいいが、その一撃はまさにチーターの突撃のよう。質量こそ変わらないものの、一瞬のスピードを上げて加速の勢いを増したことで得られる衝撃によって相手を弾き飛ばす。

「その気性……変わらないな、貴公は。正直羨ましいよ」
「そういう貴殿は変わったな。しかし、以前よりずっと好感が持てる。以前は機械と戦っているようだったが、今はこのように強く麗しい女性となっていたことに、私は驚きと感動を覚えたよ。やはり人が強くなるには、意志を強く持たねばな!」

 それに合わせてロドスシルトも若干戦法を変えてきた。手数を増やして緩急をつけることで攻撃にさらなる変化をつけ、いざという時に急所を狙って一撃で意識を刈り取らんとするように。

「私も正直驚いている。ちなみに聞くがそれは口説き文句(プロポーズ)のつもりか?」
「まさか。私にはもう、妻も子供もいるのでな。この上騎士まで望んでは、流石のこの身にも余ってしまう」

 まるでそこで今戦っているとは思えない世間話のような会話を、火花とともに交わす二人。

「それに、貴殿とは友人というよりはこのくらいの関係がちょうどいいと思っている。明確には敵対しておらずとも、見れば戦いたくなるような、そんな関係がな」
「それに関しては私も同感だ。このような状況でなければ、いくらでも付き合いたいものだが」
「そうか……」

 そう漏らし、一旦距離をおくと一気に加速して一撃を叩き込まんとするロドスシルト。しかしシグナムはその攻撃に対してカウンターをしかけることで、彼を弾き飛ばして距離を取る。

「やはりそなたは、戦士である前に騎士であったな。私にもあの時、貴殿ほどの力があれば……」
「後悔先に立たず。そこから先は、貴公の妻にでも聞いてもらうがよい。敵である私に語るべき話ではなかろう?」

 ロドスシルトの独白を切って捨てるように遮るシグナム。一瞬あっけにとられたような表情を浮かべるが、すぐに自嘲するか
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