第二十七話 そろそろ先が見えたかな
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
浮かべている。
「オーディンではこの事実について緘口令が布かれているようです。しかし何時までも隠し通せるわけではない。貴族達が騒ぎ出す前に、自らの武力を使って皇位争いを始める前に我々が反乱軍を撃破する。宇宙艦隊の実力を帝国全土に知らしめることで貴族達の暴発を防ぐ」
大丈夫だ、皆頷いている。
「メルカッツ提督はリューゲン、クレメンツ提督はボルソルン、レンネンカンプ提督はアルヴィース、ロイエンタール提督はビルロスト、ミッターマイヤー提督はレージング、ミュラー提督はドヴェルグ、ケスラー提督はヴァンステイド、ケンプ提督はヤヴァンハール」
よし、間違わずに言えた。
「直ちにその地に赴き帝国領内に居座る反乱軍を撃破してください」
「はっ」
艦隊司令官達が艦橋を立ち去った。ヤンは居ないが他にも手古摺る相手は居るだろう。第四艦隊のモートンとかしぶとそうだしな。だが全体的にはこちらが優勢を保てるはずだ、取り残されれば袋叩きに合うのだし同盟軍の各艦隊司令官は後退せざるを得ない。
問題はその後だな、この世界でもアムリッツア星域会戦が起きるかどうか……。うーん、拙いな、ゼッフル粒子の発生装置を持って来てない、忘れた。後ろを機雷で塞がれると面白く無いな、正面からの攻撃だけになる。まあそれでも勝てるだろうけど……。
ここで勝てば皇帝が死んだ以上リヒテンラーデ侯が手を組もうと言ってくるのかな。しかしなあ、あの爺さん信用出来ないし……。それに宇宙艦隊司令長官はどうなるんだ? 皇帝が死んだんだからグリンメルスハウゼンはお払い箱だろう。本人も辞めると言うかもしれない。グリンメルスハウゼン元帥府は解散だな、俺も事務局長から解放だ。
後任は誰かな、俺は平民だし精々勲章で終わりだろう。となるとメルカッツという手も有るか……。政治的な面での野心も持たないしリヒテンラーデ侯としては組み易い相手ではある。エーレンベルク、シュタインホフも危険視はしないはずだ。そうなると連中が組むのは俺じゃなくメルカッツか……。メルカッツなら今の艦隊司令官を適正に評価するだろう、問題はない。
俺はどうなるかな、もしかすると総参謀長職から外れるかもしれんな。宇宙艦隊に影響力が有り過ぎるとか警戒されているだろうと思うんだ。貴族嫌いも気になるだろうし……。閑職かな、兵站統括部の部長とか幕僚総監とか……。まあ殺されることは無いだろう。……リップシュタット戦役が終わったら退役しよう。軍人なんて疎まれながらする仕事じゃない。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ