追想〜目で追う現実(リアル)〜
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「それ以上言うと木刀でぶん殴りますよ先生」
「やめておくれ桐ケ谷くん」
レコンがよい方向に変わっているのは見れば分かるし、それが非常に良いことだと理解している。そのはずなのに、何故だか大きくなる黒いモヤモヤの正体は何だろう?
「あ、直葉ちゃん。途中まで一緒に帰らない?」
「え、えーと・・・・・・・別に良いけど」
帰り道、見つからないように細心の注意を払ってきたけど、ついに見つかってしまった。断る事も出来ず、彼は私の歩幅に足並みを揃える。・・・・・・あ、今まで気にしなかったけど、放課後からずっと剣道漬けの私は汗くさくないだろうか?
「?どうしたの?」
気付かずに詰められる距離が恨めしい。こちらは相手が自分をどう思っているか気になって仕方がないのに、レコンはそのまま近付いてきてしまうのだ。
待ち合わせ、変化、色んな事がミキサーでシェイクされたように混ざり合い、急にこんな事を言ってしまっていた。
「な、長田君!か、彼女とかいる!?」
うわー!聞いちゃった聞いちゃったよどうしようー!
「え?居ないよ?彼女なんて。最近はちょっと知り合いにALOで特訓してる以外大して変わった事なんて無いし」
へ?特訓?じゃああの待ち合わせって・・・・・・・、まさか・・・・・・・
「思わせ振りな事しないでよ長田君の癖にっ!」
ゴスッ!剣道で鍛えられた私の一撃が、レコンの脇腹に食い込んだ。「え・・・・・・・酷いよ直葉ちゃん・・・・・・・」と蚊の鳴く様な声で訴えるレコンにあっかんべーをして、そのまま走り出す。足取りは自分でも驚く程軽く、胸の奥底でわだかまっていたモヤモヤはきれいさっぱり無くなっていた。
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