第四十一話 百物語と茶室その三
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「ですがそれを抜いても」
「いい人なのはですね」
「間違いないですね」
「ですから今回もです」
百物語もだというのだ。
「ご安心下さい」
「じゃあですね」
「先輩にも」
「そういうことで」96
「三人の方がいいですよ」
ろく子もこう言うのだった。
「ですから」
「ううん、それじゃあですね」
「後で先輩に連絡しておきます」
二人もようやく決めた、次の次はこれで決まった。
そして次もだ、ぬらりひょんが二人に言って来た。
「さて、茶室といえばじゃ」
「あんた結構いるわよね、茶室に」
「それでお茶飲んでるわよね」
「うむ、茶室は大好きじゃ」
実際にそうだと二人に返してきた。
「あそこは落ち着くわ」
「そうよね、だからなのね」
「夕方にいるのね」
「わしは元々夕方に出る」
それがぬらりひょんだ、夕方に夕食の支度等で忙しい家にあがりこんで悠然と茶を飲んで出て行く、それが彼なのだ。
だからだ、部活についてもなのだ。
「それでじゃよ」
「成程ねえ」
「そういうことなのね」
「そうじゃ、それでじゃが」
あらためてだ、ぬらりひょんは二人に話す。
「大学の茶室じゃな」
「ええ、そこの小さな茶室ね」
「そこに行くから」
二人はそのぬらりひょんに答えた。
「それでその茶室についてもなの」
「あんたよく行くのね」
「博士と一緒にな」
自分の席で栗饅頭を玄米茶と共に口にしている博士を見ての言葉だ。
「そうしておるぞ」
「わしの友達と紹介してじゃ」
博士も笑って答える。
「そのうえでよく行っておるぞ」
「っていうか博士絡みですか」
「そうだったんですか」
「うむ、わしは茶道も好きでな」
それでだとだ、博士は笑って話す。
「それでじゃよ」
「まああの小さい方の茶室はな」
そこはだというのだ、今度はぬらりひょんが話す。
「わしも入ったことはない」
「じゃああそこは」
「若しかしたら」
二人もここで気付いた。
「泉かしら」
「いよいよかしら」
「まあそこは確かめてな」
ぬらりひょんはそこは、と告げた。
「あんた達でな」
「じゃあ今夜にでもね」
「行ってみるわ」
「茶室の場所はわかっておるな」
ぬらりひょんは博士にまた話した。
「大学のそこは」
「ええ、大学にも結構通ってるし」
「それでね」
二人はぬらりひょんにすぐに答えた。
「茶室の場所もわかってるわ」
「もうね」
「なら話は早いのう、では今晩一緒に行くぞ」
ぬらりひょんは飄々とした感じで述べた。
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