第四十三話 暴走開始 後半
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
side 刃
俺は今まで何をやっていたんだ。
会議の中、俺は頭を抱える。
俺は、あいつも同じこの世界を、『リリカルなのは』を楽しみに来た転生者と考えていた。
けど、違った。
あいつは自分の記憶を消して、この世界の住人となる道を選んだ。
なぜか?
さっきまでの俺ならわかるはずもないことだ。
俺は、あいつから言われた一言で、やっと気づけた。
『あなたは、なのはたちを人として見ていない』
一瞬、何のことだかさっぱりわからなかったが、すぐに理解した。
俺は、『リリカルなのは』のキャライメージを通して、彼女たちを見ていた。
今ここにいる彼女たちを無視して、幻想の世界の彼女たちを見ていた。
そりゃ、嫌われるのは当然だ。
彼女たちの意思を無視して、ゲームのように彼女らに接していたら、ウザイ奴以外の何者でもない。
あいつはそれが分かっていたらか記憶を消した。
余計な知識なしで、この世界で生きることを選んだ。
それが本来の転生だ。
神様だ、特典だで見失っていた本来の形だ。
俺は一度死んだ。
そして新たな生を受けた。
なら、この世界で生きるのが道理だった。
けれど、俺はそれを見失い、ゲーム感覚で生きていた。
いや、『生きている』は言えない。
何が転生者だ。
こんなことに気づけないなんて、ただの馬鹿以下だ!
けど、運目は残酷だ。
後から気づいた俺より、あいつは辛い人生を歩んでいる。
俺は前世で辛い過去を背負って生きていた。
だから、神様が俺を転生させてくれた。
話を聞く限り、ショウのやつもそうだった。
アイツは小さい頃に親に捨てられ、ずっと施設育ちだった。
これ以降は聞くのははばかられたが、たぶん、まだ辛いことがあっただろう。
ならあいつはどうだ。
前世で辛い目にあい、転生してからもこのざま。
呪われているとしか思えない。
理不尽すぎる。
俺が呑気に原作待ちをしている間、あいつは自分を鍛え続けた。
そりゃあ、勝てるはずもないわ。
完敗、圧倒的なまでに完敗だ。
おそらく、この後も俺はあいつに勝つことはできない。
心が違う、志が違う、信念が違う。
そう、その時だった。
『緊急事態発生! 闇の書の暴走が確認されました、局員は所定の持ち場につき、事態に対処してください、繰り返します、闇の――』
side ALL
「エターナルコフィン!」
全てを凍てつかせる最
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ