第四十三話 暴走開始 後半
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強の凍結魔法が闇の書に襲いかかる。
起動したばかりの闇の書は、それを回避することができず、直撃してしまった。
全身の様々ところから凍り、最後には分厚い氷の壁の中の闇の書を閉じ込めてしまう。
この魔法の前には、いくら闇の書だろうと解除は不可能、骨の髄、リンカーコアすら凍りついて指一つ動かすことはできない。
「これで、後は次元の狭間に流すだけだな」
「ああ、やっと父様の願いが――」
その言葉は、最後まで続かなかった。
「え?」
氷の壁を突き抜けた黒い刃が、仮面の男の脇腹に突き刺さっていた。
スっと、それが消えると、彼の腹部から血液が溢れ出す。
「が、バカな!?」
分からなかった。
完璧な封印方法だったのに、どうしてそれが破られたのか不思議だった。
しかし、次の闇の書を見て、全てを理解した。
「氷の中が、空洞になっている!?」
そう、実際には彼らの凍結魔法は闇の書にまで届いておらず、その少し前までを凍らせていたに過ぎなかった。
「そうか、そういうことか!?」
もう一人の仮面がどうしてそうなったかを理解した。
「あいつは、凍らされる前に同等以上の凍結魔法で自分を凍らせて、我らの魔法を防いだのか」
その後は、魔法を解除するだけでいい。
そうするだけで、エターナルコフィンは防げた。
「ばかな、そんなことができる魔導師なんて、被害者の中には――」
そう、魔道士の中にはいなかった。
しかし、騎士の中にならいた。
「戦場 遼、彼女は凍結魔法の使い手だった、ならば自身の凍結魔法に対して打開策を持っていても不思議ではない」
思わぬ誤算。
長年積み上げた計画が、たった一人の少女の存在によって瓦解した。
そして、誤算はそれだけではなかった。
「これは!?」「バインド!」
二人の体を、青い鎖が縛り上げる。
「ストラグルバインド、使いどころがない魔法だけど、こういう時にはうってつけだ」
「「く、あ、ああ、あああああああああ!!」」
彼らの変身魔法が強制的に解除される。
仮面が落ち、二人の獣娘の姿が現わになる。
「やっぱり君たちだったんだね」
彼女らは、リーゼロッテとリーゼアリア、両者ともクロノの師匠にあたる存在だった。
「今から君たちはアースラにて身柄を拘束させてもらうよ、ここはあまりにも危険すぎる」
二人を転送魔法にで送り出した後、急に静かになった闇の書を見つめる。
(おかしい、氷の壁を貫けるほどの力がありながら、どうして出てこない?)
そう思い、良く中に目を凝らしてみる。
闇の書はこちらには目もくれ
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