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八条学園怪異譚
第四十一話 百物語と茶室その一

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             第四十一話  百物語と茶室
 二人はこの日は博士の研究室に来ていた、そのうえで博士から残る学園の泉の候補地について教えてもらっていた。
 その中でだ、博士は二人に茶室の話もしたのだった。
「そこの小さな茶室とな」
「その他にもですね」
「あそこにはあるんですね」
「あそこで百物語をするとじゃ」
 このことも話すのだった。
「出ると言われておる、これは学園のどの茶室でも一緒じゃ」
「百物語をすればですか」
「泉が出るんですか」
「いや、そこまではわからん」
 博士でもだというのだ。
「じゃが百物語は最後までするとな」
「何かが起こるって言われてますね」
「その話は私達も聞いてます」
「これもこの学園の怪談の一つでな」
 百物語のだというのだ。
「それでなのじゃ」
「若しかしたらですか」
「泉が、ですか」
「そうじゃ、ただどうやら怪談話をして回るだけでなくともよい様じゃ」
 博士は二人にこのことも話した。
「百物語が書かれた本を茶室で百話全て読んでもな」
「それでもですか」
「最後にはですか」
「うむ、何かが起こる様じゃ」
 それでもいいというのだ。
「どうやらな」
「ううん、じゃあ暫く大きい方の茶室でも」
「やっていきます」
 百物語を読んでいくとだ、二人は博士に答えた。
「百物語読んでいきます」
「そうしていきますね」
「うむ、怪談話もかなり回っておるからな」
 それでだというのだ。
「そろそろ見つかるぞ、泉もな」
「そうですか、そろそろですか」
「見つかるんですね」
「うむ、泉は絶対にあるからな」
 博士もこのことはわかっていた、この学園には泉自体は間違いなくあるのだ。妖怪や幽霊達が入ってきている。
 しかしそれが何処なのかがわからないのだ、それで言うのだった。
「案ずることはない」
「色々回っていけばだからですね」
「最後には見つけられるんですね」
「そうじゃ、あるとわかっておれば悲観することはない」
 ないかも知れないものを探すより遥かにいいというのだ。
 そう話してだ、博士は二人にまた言った。
「ではな」
「はい、それじゃあですね」
「まずは茶室に」
「うむ、ただ二人じゃとな」
 博士は数の話をここでした。
「あまり進まぬやもな」
「あっ、じゃあ」
「その場合は」
「神社の娘さんとは知り合いじゃったな」
 二人の予想通りだ、博士は彼女の名前を出してきた。
「ではじゃ」
「先輩、ですか」
「あのj人ですか」
 二人は博士の言葉にあからさまに嫌そうな顔で返した。
「ええと、確かに先輩なら来てくれますし」
「私達にも協力してくれますけれど」
「それでも、その」
「あの人は」
 こう言うのだった。
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