TURN88 うぽぽ菌その四
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「全く、仕方のない奴だ」
「有り難うドイツ、助かるよ」
「礼はいい」
いつものことだからだ。
「それならな」
「これがよさなのよ、イタちゃんの」
グレシアは極めて温かい目でイタリアを見て言った。
「愛嬌があるのよ」
「私もわかってきました」
エルミーもそのイタリアを見てグレシアに応える。
「イタリアさんのよさが」
「ロマーノ君もだからね。こういうのがいいのよ」
「いいとはあまり思えないが」
ドイツはやれやれといった様子で席を立ちつつグレシアに述べる。
「だが少し行って来る」
「宜しくね」
こうしたやり取りもあった、いつもの面々はやはりいつもの調子である。
戦局も進む、そのアルゼンチン戦だった。
ハニワも怪獣もさらに増えている、そしてだった。
「うぽぽ菌かよ」
「そうだね」
南雲が田中に応える。
「今度はそれだね」
「何だよ、災害ばっかりだな」
「わかってたでしょ、ここは中南米よ」
「災害の宝庫だってんだな」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「うぽぽ菌も普通にあるわ」
「ったく、台風にイナゴにな」
「それでこれね。揃ったわね」
「揃わなくてもいいのにな」
田中は本音も出す。
「本当によ」
「同感だよ。けれどね」
「いるならか」
「戦うしかないよ、いいね」
「ああ、それじゃあな」
枢軸軍はそのうぽぽ菌にも戦力を向けなければならなかった、問題はその戦術だった。
レーティアがここで一同に言う。
「あの菌は熱に弱い」
「つまり熱消毒ですね」
「そう、それだ」
まさにそれだとオーストリアにも答える。
「一気に焼き払うといい」
「わかりました。ではここは」
「ナパームだ」
レーティアはまずはこれを出した。
「艦載機のナパームを打ち込めば効果はかなりある」
「では艦載機にナパームを搭載し」
「そしてビームだ」
今度はこれだった。
「ビームの熱も効果がある」
「台風やイナゴの様なことはないのですね」
「だからだ、一気に攻めるべきだ」
「了解です、それでは」
「長官、そう思うがどうだろうか」
レーティアはオーストリアに述べてから東郷に話を振った。
「うぽぽ菌に関しては」
「よし、ではそれで行こう」
東郷もレーティアの提案に頷く。
「艦載機にナパームを搭載する」
「そしてビームもですね」
「そうだ」
秋山にも言う。
「では行くぞ」
「わかりました」
こうして戦術が決まった、まずはうぽぽ菌だった。
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