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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十五話:レヌール城のカップル
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、会いたいなあ……。
というテンションで、改めて別れを切り出します。
「どうか、お幸せに。私たち、本当にもう行きますね」
「……ありがとうございます。あなたたちも、お幸せに」
ああ、そういう設定だった。
真摯な祝福に適当な嘘で返すのも気が引けるので無言で微笑み、踵を返そうと、したところで。
ヘンリーの腕が私の手から逃れて、腰を抱き寄せます。
……まだ諦めてなかったのか、コイツ!
このタイミングでやられたら、振り払えないじゃないか!
策士めが!!
などという内心はおくびにも出さず、苛立ちを恥じらいに変えて誤魔化しながら、今度こそ踵を返して立ち去ります。
急ぎ足で進もうとする私と、腰をガッチリ捕まえてゆっくり歩くヘンリーとで、水面下の戦いを繰り広げながら。
玉座の間からもバルコニーからも十分に離れたところで、もういいだろうと腰の手を振り払います。
「……ヘンリー!落ち着かないから、やめてって言ったのに!」
「……お前な……。散々、あんな……」
「あんな?」
「いや、いい。なんでも無い。悪かったよ。けど、そんなに嫌か?」
「嫌、か……?……は、わかんないけど。むずむずする」
「……思い出すから?」
……思い出した!
今、まさに!
「……顔、赤いな」
「え!?ホント!?」
そんな、「ぽっ……」な状態に、私も!?
「……お前でも、なるんだな」
「……そりゃ、なるよ」
だって、人間だもの。
「……もう、しないでね」
「……当分はな」
当分ってなんだよ!
けど突っ込んでも解決しなそうだから、ひとまずいいことにしよう!
どうせ、ラインハットまでのことだし!
と、問題を先送りした先で消し去ろうと目論みながら、手近にあった床の穴に飛び降り。
ヘンリーが先に降りようとするのを肩を掴んで引き留めて、私が先に飛び降り。
銀のティーポットを回収してる間に、ヘンリーが更に下の階に、先に飛び降りてしまい。
ヘンリーの顔をめがけてスラリンを着地させながら私も飛び降りて、事なきを得て。
うん、やっぱり早急に対策が必要だ。
お風呂を覗きはしないのに、なんでそこは見たいんだ。
男のロマンなのか?わからん。
正面玄関から外に出て、地下道を通って地下室に入り、銀のティーカップも回収します。
「これで用は済んだね。城の中も、大体見たし。帰ろっか?」
「ああ。帰ろう」
レヌール城を出て、アルカパの町に戻ります。
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