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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十五話:レヌール城のカップル
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よね!ね、ヘンリー?」

 腕に絡み付き、甘えるように上目遣いで見上げます。

「……!!」

 色々な驚愕で目を見開き、言葉にならないようです。
 毎回言葉を添えるのももう飽きてきましたが、やはり顔はどんどん赤くなっていきます。

 うん、すまん。
 どんなキャラだよって話よね、唐突に。

 駆け落ちカップルもまた赤くなってますが、さっきとはたぶん意味が違うので!
 オーケー、挽回した!

「そ、……そうなんですね!だからなんですね、このお城が、優しく迎えてくれた感じがしたのは!」

 赤い顔で微笑むカップルの女性は、なんというか素朴な感じで。
 正に、野に咲く可憐な一輪の花といった風情ですね!
 心根の美しさと健気さに、近くにいたらうっかり絆されちゃうような!

「まあ!不思議なこともあるものですね!でも、迎えられたって?まるで、ここに住んでるみたい」

 可愛らしく小首を傾げ、すっとぼける私。
 照れてでもいるのか、さらに赤くなって俯く女性。
 まあ、愛らしい。

「それは……」
「僕たちは、……身分違いの恋に落ちてしまい、駆け落ちしたんです」

 そんな彼女を庇い、労るように口を開く男性。
 若干私から目を背け気味ですが、賢明な判断と言えるでしょう!
 ちょっと線が細いというか頼りない感はありますが、話しぶりもしっかりしてるし、なかなかのいい男ですね!

 そんな彼の努力を無に帰してはいけないと、敢えて彼ではなく、彼女に向けて思いやる言葉をかけてみます。

「まあ。それは。そんなに想い合ってるだなんて、素敵ですけど。……大変、ですね」
「はい……。私のために、彼には家を、捨てさせてしまいました……」

 また俯く、彼女。
 やはり彼氏のほうが、いいとこの坊っちゃんですか。

「君だって!大事な家族を捨ててまで、着いてきてくれたじゃないか!」

 彼女の肩を掴み、真剣に訴える彼氏。
 あれ。なんかそろそろ、お邪魔な感じ?

 ……うん、まあ、良かったよ。
 二人の仲に、ヒビを入れずに済んで。
 顔も確認したことだし、そろそろ退散するか。

「では。私たちは、そろそろ」
「待ってください!」

 ああ、引き留められてしまった。

「僕たちには、僕の家から追っ手がかかっているかもしれないんです!どうか、このことは」
「もちろん、誰にも言いません。愛し合う二人の気持ちは、……よく、わかるから」

 駆け落ちするほどの気持ちって正直、実感としてはわからないのですが。
 パパンとママンのことを思い出して感傷的な気分を引き出し、俯いてみます。
 あの二人も、駆け落ちカップルだったなあ……。
 駆け落ちってか、パパンが攫った形だけど。
 早く
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