時宮遭遇
Trick47_早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!
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こんな風に、な」
目の前の位置にまできた時の宮は、右手の人差し指と中指を、美雪の両目に近づける。
「 ミ る ナ 」
宣言した。
指で目潰しをしたわけではない。
だが美雪の目は声と同じく役割を果たせなくなった
理解不能の能力。許容量を越えた恐怖は、彼女の心を壊し始めた。
「時宮、さすがそれはやりすぎじゃない?」
「気にするな、“奴”には苦汁を舐めさせられているんだ。これぐらいは許される」
そして美雪の首筋に触れ、爪先をゆっくりと皮膚へと喰い込ませる。
皮膚が破けるか、ギリギリの力加減で徐々に強くしていく。
「時宮、視極、いいかげんにしろ」
と、そんな時宮を止める声が聞こえた。
視極ではない。
そんな声に姿は見えず、どこからともなく届く。
「なんだおまえも邪魔をするのか、拭森」
「遊びの時間はここまでだ。結果的に視力を奪ったのだから目的は達成だろう。
それよりも“奴”が来るぞ。
“弐栞”が来るぞ」
つづく
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