時宮遭遇
Trick47_早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!
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の、だと? まさか解らないとでも言うつもりか?
これだから表の人間は・・・」
心底呆れた、心情を全く隠す気のない顔で時宮は白井を見た。
「まあ、どうでもいい。ターゲットはそこの女だ。
誘拐、最低でもしばらくは能力を使えない状態にすればよかったよな?」
「うー。だだし殺すことや大怪我はだめだぞ?
学園都市から注目されている人間だからやりすぎてはいけない。
学園都市が本格的に動く理由を作ってはいけない。
奇野の対策のため、しばらくの間動けない状態であれば問題ない」
美雪の能力値は高くない、たかがレベル3程度だ。
しかし学園都市からは重要視されていた。
その理由は美雪の薬剤師としての能力の高さが大きく評価されていたからだ。
昨年発表された新薬の内、50%は美雪が開発に携わっており、個人研究では能力開発の際に投与する薬を、従来の1.5倍の確率で能力を発動させるものがあった。
それほどの人物を学園都市が注目しないはずがない。誘拐などでも大騒ぎになるだろうが、死亡や大怪我などの事件が発生したら大規模な力で犯人を潰すだろう。
時宮たちはそれを警戒していた。しかしそれでも裏の世界の人間。誘拐でも躊躇無く実行してきた。
「ふむ。殺し、大怪我を避ければいいのだな? ならば少々遊ぶのは問題なかろう。
“奴”の関係者だからな」
空気が凍るような一言だった。
遊ぶ。その意味を視極を含め、白井と美雪も分かってしまった。
世間一般的に言う遊びでは絶対に違う。
人間をおもちゃにした遊びだ。
それが性的なことなのか、暴力的なことかまでは分からない。
だが、非人道的であることは間違いなかった。
「早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!」
「うるさい表の女。視極、黙らせろ」
「うー、まったく君は好きだね・・・」
視極はため息をつきながらも行動に移った。
右手の拳を握り、思い切り、躊躇無く、遠慮無く、淀み無く、“自分”の喉を殴った。
そして
そして傷配人の配下にある白井の体も同じ動きをした。右手の拳を握り、思い切り、躊躇無く、遠慮無く、淀み無く、自分の喉を殴る。
「か、はっ」
あまりの出来事に起きく目を見開いた白井だが、声は出せなかった。美雪と同じように、声を封じられた。
痙攣して足に力が入っていないように震えるが、それでも白井は傷配人の配下にある限り倒れることすら許されずに立ち続けさせられた。
「ふむ。これで静かに楽しめる。
西折美雪、君は知っているかな?
人は目が見えないだけで恐怖が数倍に増す。
そして視覚以外の感覚が鋭くなり、痛みをより強く感じるんだ。
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