時宮遭遇
Trick47_早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!
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があるが、そこには誰もいなかった。
「連れてきたぞ、時宮」
「(ヒソ) 誰に話してますの。
それに連れてきたって誰を・・・」
行き止まり、誰もいない。それにも関らず男を誰かに話しかけている。
「ご苦労だったな、視極」
「「!?」」
声は白井と美雪の後ろからだった。
反射的に前に逃げ、離れて振り返った。
視極と呼ばれた男とは真逆の印象の男が君臨(・・)していた。
顔は誰もが美形と認める顔立ち。
だが優男のような弱々しさはない。
一言で表すならば“王”
圧倒的な存在感を放つ男が、否、圧倒的な存在そのものがいた。
「で、そいつがターゲットの女か?」
「ああ」
「連れてきたって、わたくしのことでしたの!?」
「当然だ」
肯定の言葉が後ろから聞こえた。
当初は長点上機学園に向かっていたのは嘘ではない。
だが目的があって向かっていたのであり、目的が移動、または目の前にいたら向かう必要はなくなる。
目の前の目的を路地に連れてくるため、2人に聞こえる大きさで『時宮』のキーワードを出してわざと追跡させたのだった。
後ろからの声で反射的に時宮から離れたが、それが不味かった。
入ってしまったのは行き止まり路地。
時宮と視極の間、完全に挟まれた形となった。
「美雪お姉様! いったん逃げましょう!」
白井は美雪に手を伸ばす。
白井の能力は空間移動。能力を使い、この場を離脱しようと考えた。
だが届くことはなかった。
美雪が離れたわけでも白井が吹き飛ばされた訳でもない。
2人の間に邪魔な物体が割り込んできたわけでもない。
白井の伸ばす腕が急に動かなくなっていた。
「え・・・? な、なんですの体が!?」
「白井さん! どうしたの!?」
「体が急に動かなくなって!!」
「相変わらす見事な能力。さすがの死配だな」
「君の前で支配なんて言葉、恐れ多くて使えないよ。
俺はただの傷配人だ」
そう言って路地の男、視極と呼ばれた男は両腕を広げて大の字のポーズをとった。
同じように白井は持っていた鞄を離し、両腕を広げたの状態で動けないでいた。
「精神操作の能力!?
ですがレベルが高くてもここまで短時間で前触れもなくできるなんて!!」
風紀委員としてある程度冷静で的確な答えを出した白井。
だが、それはあくまで科学の街での話だ。
「ふん、俺達が裏切り同盟と知っていて着けていた割には科学で
物事を考えていると
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