時宮遭遇
Trick47_早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!
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「では私たちはこれで」
一応断りを入れてから離れていった。
「なんですのあの人は。
言っては失礼ですが気持ち悪かったですの」
「うん、何だかよく解らない感じが嫌」
まだ近くにいる男に聞こえないように2人は小声で話した。
そう、まだ3人の距離は近かった。
だから普通の大きさで話している男の声が白井達には聞こえた。
「うー、連れて来ればいいんだな、時宮」
「「っ!?」」
はっきりと聞こえた電話先の人物名。
それは信乃が絶対に近付くなと警告した6人の内1人と同じだった。
偶然であると片付けるにしては珍しい名前。
それになにより、気味悪い男と警戒人物が関係していると考えた方が納得がいく。
「美雪お姉様、行きましょうか。」
「う、うん」
男に背中を向けていたから驚いた表情は見られていないはずだ。
白井と美雪は逃げるようにして交差点を曲がり、男の視界から離れた。
そしてすぐに建物の影から覗いて男の様子を窺った。
「白井さん、今の人が言っていたのって・・・」
「美雪お姉様もお気付きの通り、信乃さんが言っていた注意人物ですの」
「・・だよね」
「わたくし、これからあの人の後を追ってみたいと思いますの」
「き、危険だよ! 信乃だって追ったりしたらダメだって言ってた!」
「ええ。ですが風紀委員として放ってはおけませんの」
「で、でも・・」
建物の影から男を見張ってると、歩き出したのが見えた。
「では行ってきますの」
「・・・・わかった。その代わり私も行く」
「!? 危険だと言ったのは美雪お姉様ですの!
それをわかっててなぜ!?」
「私は知りたい。
信乃が生きている世界がどうなっているのか、
なぜそこまでして戦うのか、それを知りたい。
ほら白井さん、早く追わないと見失っちゃうよ?」
「説得する時間はないようですのね。分かりましたの。
ただし、わたくしの言うことを絶対に聞いていただきますの」
「うん」
「では、行きましょう」
風紀委員で学んだ尾行術を使い、気付かれないよう配慮して男を追った。
2人は気付くべきだった。
自分たちが向かっているのが死地だということに。
男が路地の奥へと進む。
その方向は男が向かうと言っていた長点上機学園とは全く違う。
白井と美雪はさらに警戒を強め、気付かれないように注意しながら男の後をつけた。
そして行き着いたのは路地の行き止まり。
男が電話していた事を考えると待ち合わせの可能性
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